更新日: 2024.08.27 控除

夜に視界がかすむのは「老眼」のせい…?眼科で診察を受けたら「医療費控除」の対象になりますか?

夜に視界がかすむのは「老眼」のせい…?眼科で診察を受けたら「医療費控除」の対象になりますか?
年齢が上がるにつれ、体に不調を感じる方もいるでしょう。目のかすみや見えにくさなどの症状が見られる「老眼」も、加齢による変化の一つです。
 
日本では、医療費の負担を軽減してくれる「医療費控除」の制度がありますが、老眼で受診する場合も医療費控除の対象になるか疑問に思うこともあるかもしれません。
 
そこで今回は、老眼の特徴や初期症状を解説するとともに、医療費控除が適用されるケースについてまとめました。
FINANCIAL FIELD編集部

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老眼の特徴と初期症状

老眼とは、加齢によって目(ピント)の調整力が低下することによって、近くのものが見えにくくなる状態を指します。実際は病気ではなく、加齢による変化の一つでしょう。一般的には40代から50代にかけて症状が見られ始めるとされていますが、視力の変化には個人差があります。
 
老眼の主な症状は、以下のものがあります。

・近くのものが見えにくくなる
 
・本やスマートフォンの文字がぼやける
 
・距離の異なるものを見る際、ピントを合わせるのに時間がかかる
 
・視界がかすみやすくなる
 
・目が疲れやすくなる

今回のような視界がかすむなどの症状は、老眼によって目の調整力が低下していることが原因の一つとして考えられます。ただし、上記の症状が必ずしも老眼であるとは限りません。目の不調を感じた際は、一度眼科で診察を受けることをおすすめします。
 

老眼による診察は医療費控除の対象になる?

老眼が原因で眼科を受診した場合、その診察や治療が医療費控除の対象になるかは、治療内容によって異なります。
 
医療費控除とは、1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合、その超えた部分について所得税の一部が還付される制度です。一般的に、老眼は加齢にともなう自然な視力の低下とされるため、老眼鏡の購入費や通常の診察費用は医療費控除の対象にはなりにくいようです。
 
ただし、老眼の診察時にほかの病気や異常が見つかり、その治療が行われる場合には医療費控除の対象となることがあります。例えば、急激な視力の低下による弱視や一定以上の斜視、医療行為としての治療が必要とされる白内障や緑内障などです。
 
この場合、視力を回復させるために治療として使用される眼鏡の購入費は、医療費控除の対象になる可能性が高くなります。
 

医療費控除の対象となる金額

医療費控除の対象となる金額は以下の式で算出した額で、最高200万円までです。なお、納税者自身または自身と生計を一とする配偶者や、そのほかの親族のために支払った医療費が対象となります。
 
国税庁によると、医療費控除の計算式は以下の通りです。
 
(実際に支払った医療費の合計-[保険金などで補てんされる金額])-10万円
 
ただし上記の金額は、対象となる医療費の範囲内で控除されるため、もし補てん額が余ってもほかの医療費からは差し引かれません。
 
計算式にある10万円は、その年の総所得金額などが200万円未満であれば、総所得金額などの5%の額になります。
 

「老眼」での診察や眼鏡の購入などは医療費控除の対象外である可能性が高い

老眼は、加齢に伴う自然な視力の変化として診断される場合が多く、その際にかかった診察代や眼鏡の購入費などは医療費控除の対象外となる可能性が高いことが分かりました。
 
ただし老眼だと思って病院を受診した場合でも、白内障や緑内障などの治療が必要な病気であると診断された場合には、医療費控除の対象となるケースもあります。医療費控除の対象になるか否かは、診断結果や治療内容によって異なりますので、病院や役所で確認すると安心です。
 
なお、今回ご紹介した症状に当てはまるからといって、必ずしも老眼であるとは限りません。視力の低下や目のかすみなどの症状を感じた場合には、早めに眼科を受診し、適切な診断を受けることが大切です。
 

出典

国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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