更新日: 2024.08.29 控除

扶養内で働くために、パート代が「8万8000円」を超えないように注意していたのですが、「1ヶ月」だけ超えてしまいそうです。この場合も扶養から外れてしまいますか?

扶養内で働くために、パート代が「8万8000円」を超えないように注意していたのですが、「1ヶ月」だけ超えてしまいそうです。この場合も扶養から外れてしまいますか?
主婦や主夫がパートをする場合にぶつかる「年収の壁」。配偶者の扶養から外れないように、毎月労働時間を調整しながら働いている方も多いのではないでしょうか?
 
配偶者の扶養から外れないように働くためには、いくつかの壁があります。
 
普段は「年収の壁」を超えないよう気を付けているにもかかわらず、うっかり労働時間を超えてしまった場合、扶養から外されてしまうのか心配になる方もいるでしょう。
 
そこで今回は、ひと月だけ給料が扶養範囲内の条件から外れてしまった場合、扶養から外れなければならないのか解説します。また、扶養範囲で働くための条件などについてもご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

1ヶ月だけ8万8000円を超えたら扶養から外れてしまうのか?

パートで働いている場合、社会保険の扶養内で働くために注意しなければならないのは、130万円と106万円の壁です。ひと月当たりの給与に換算すると、約10万8000円と約8万8000円となります。
 
例えば1ヶ月だけ、これらの数字をオーバーしてしまっても、基本的に年収がオーバーしなければ扶養から外されることはないといわれています。
 
ただし社会保険加入の条件の1つに「所定内賃金が月額8万8000円以上」とあります。配偶者の扶養から外れなくとも、ほかの条件を満たすとともに上記の月収を超えると自身の勤務先で社会保険への加入対象となるケースもあるので注意しましょう。まずはこれらの金額の違いや、それぞれの基準を超えないための条件を確認してみましょう。
 

配偶者の社会保険に入れる基準は年収130万円

年収130万円を超えると配偶者の扶養を外れ、自身で国民健康保険や勤務先の社会保険に加入しなければなりません。年収130万円をひと月当たりに換算すると、約10万8000円となります。
 
ひと月だけこの金額を超えてしまった場合でも、年収が即座に130万円を超えるわけではないため、基本的に扶養から外れてしまうことはないとされています。しかし、何ヶ月にも渡って超えてしまった場合は、扶養から外れてしまう可能性があります。
 
一方で、厚生労働省では「年収の壁・支援強化パッケージ」という対策を実施しています。扶養内で働いているパート社員が、繁忙期などの理由により一時的に収入が増え130万円を超えてしまっても、事業主の証明により以降も扶養内で働けるようにする内容の対策です。
 

配偶者の扶養を外れる主な条件と106万円の壁

自身の勤務先が従業員数101人以上の場合、次の4つの条件を満たした人は自身で社会保険に加入する必要があります。


・1週間の所定労働時間が20時間~30時間
・所定内賃金の額が月8万8000円以上
・雇用期間が2ヶ月を超える見込みがある
・学生ではない

なお所定内賃金とは、残業代や賞与などを含まない「基本給+手当」の合計を指します。
 

2024年10月からの社会保険適用範囲変更に注意

2024年8月現在、106万円の壁は従業員数101人以上の会社に勤務している従業員が対象です。しかし、2024年10月より適用範囲が拡大されることが決まっており、以降は従業員数51人以上の勤務先が対象となります。
 
そのため、現在130万円の壁のみに注意している従業員数100人以下の会社に勤務するパート社員の中には、10月から106万円の壁を考慮して働かなければならない人が出てくる可能性があります。
 
ひと月あたりの給料が約10万8000円まで働けていたものが、約8万8000円とおよそ2万円減ってしまうことから、今後の働き方をどのようにするべきか考えておいた方がよいでしょう。
 

1ヶ月だけ8万8000円を超えてもすぐに扶養から外れる可能性は低いと考えられる

配偶者の扶養に入っており、毎月8万8000円を超えないように働いていた人が、1ヶ月だけ8万8000円を超えてしまっても、いきなり扶養から外される可能性はないと考えられます。しかし、それが2ヶ月以上続く場合などは、扶養から外れてしまう恐れもあります。
 
とはいえ、配偶者の扶養から外れ、自身が社会保険に加入することで将来的に多くの恩恵を受けられる可能性もあります。
 
厚生労働省の社会保険適用拡大特設サイトでは、自身の年間給与額から年金額や保険料をシミュレーションすることが可能です。扶養内で働くか、社会保険に加入するか迷った際にはチェックすることをおすすめします。
 

出典

厚生労働省 年収の壁・支援強化パッケージ
厚生労働省 社会保険適用拡大特設サイト パート・アルバイトのみなさま
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集