昨年、都内で「現金の落とし物」が過去最高の「44億円」だったそうですが、お金をひろって受け取る場合には「税金がかかる」って本当ですか?
配信日: 2024.09.03
本記事では、現金などを拾って警察署に届けた際の受け取り条件と、税金の有無について詳しく解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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3ヶ月以内に遺失者が判明しない場合、現金を受け取る権利がある
落とし物や忘れ物の取り扱いについては、「遺失物法」で定められています。財布や現金などの落とし物や忘れ物を拾って警察署や交番に届けた場合、3ヶ月以内に遺失者が判明しないと、拾得者は落とし物や忘れ物を自分のものとして受け取る権利があります。
例えば、100万円が入った財布を拾って警察に届け、3ヶ月を経過しても遺失者(落とし物の持ち主)が判明しなかった場合、その100万円は拾得者のものです。
警察から遺失者に落とし物を返還する旨の連絡がなかった場合は、拾得物件預り書に記載された期間内(2ヶ月)に警察署に連絡して受け取りに行きます。
2ヶ月の期限を過ぎると、落とし物の所有権は拾得者から都道府県に帰属するので注意が必要です。
ただし、クレジットカードや携帯電話など、個人情報が含まれる物の所有権は、たとえ3ヶ月以内に遺失者が判明しなくても、拾得者が得ることはできません。
落とし物の届け出は場所によって期限が異なる
拾得者が落とし物に関する権利を得るには、落とし物を拾ってから一定期間内に警察署や施設に届け出る必要があります。具体的な期限は、以下のとおりです。
・お店などの施設で拾った場合:24時間以内に施設に届け出が必要(遺失物法34条3号)
・路上など施設外で拾った場合:1週間以内に警察署等に届け出が必要(遺失物法34条2号)
落とし物を拾ったら、できるだけ早く警察署や施設に届け出るようにしましょう。
遺失者が判明した場合にも報労金を請求する権利がある
落とし物を届けてから3ヶ月以内に遺失者が判明した場合、拾得者は遺失者に対して報労金を請求できます。請求できる額は、落とし物の価値の5~20%の範囲内で遺失者と拾得者間で話し合って決められます。ただし、施設で拾った場合は、報労金は施設と折半になるため、拾得者が請求できるのは落とし物の価値の2.5~10%となります。
拾ったお金でも課税対象となる
拾ったお金であっても、所有権が移転したり報労金を受け取ったりした場合には税金がかかるため注意が必要です。そのためにも、受け取るお金の所得扱いや計算方法などについて確認しておきましょう。
拾得物や報労金は一時所得扱いになる
拾ったお金の遺失者が判明せずに自分のものになった場合、または遺失者が判明して報労金を受け取った場合、そのお金は一時所得として扱われ、課税対象となります。
拾ったお金だからといって、非課税になるわけではありません。受け取った金額の全額が手元に残るわけではないことに注意が必要です。
一時所得と税額の計算方法
一時所得には、50万円の特別控除があります。一時所得額と課税金額の計算方法は以下のとおりです。
・一時所得額:総収入金額-収入を得るための支出金額-特別控除額(最高50万円)
・総所得金額に算入する金額:一時所得額×1/2
一時所得の課税金額を他の所得(給与所得や事業所得など)と合算し、納税額を算出します。
拾ったお金はきちんと警察に届けよう!
拾ったお金を警察署に届けて、一定期間内に遺失者が判明しなかった場合、そのお金を受け取れます。ただし、受け取ったお金は一時所得として扱われ、所得税等の税金がかかる可能性があるため注意が必要です。税金がかかる場合は、確定申告を行い、期限内に納税することを忘れないようにしましょう。お金に限らず、落とし物を拾った際は、警察署や施設に届けることが大切です。
出典
警察庁 警察庁遺失届情報サイト 落とし物をしてしまったらすぐに遺失届を!
デジタル庁 e-Gov 法令検索 遺失物法
国税庁 No.1490 一時所得
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
監修:高橋庸夫
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