更新日: 2024.09.17 その他税金
タンス預金のメリットとデメリットを教えてください。高額だと税務署に目を付けられるのでしょうか…?
現金の保管方法は金融機関への預け入れが一般的とされる中で、タンス預金はまるで財産隠しをしているような印象を持つ人も少なくありません。
そこで本記事では、タンス預金をすると税務署の指摘を受けるのか、タンス預金のメリットとデメリットも踏まえて解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
タンス預金とは
銀行などの金融機関に預けず、自宅などの手元に置いて資産を保管することをタンス預金と呼びます。かつての日本では、現金などをタンスの中で保管することが多く、その名残の呼び名とされています。
タンス預金という名称ですが、保管場所はタンスに限りません。クローゼットや机の引き出しに保管していても、タンス預金に該当します。また、貯金箱に貯めたお金もタンス預金です。防犯意識が高くなってきた近年では、金庫でタンス貯金をしているという人もいるかもしれません。
注意すべきは、貸金庫や会社で資産を保管している場合もタンス預金に該当する点です。個人宅だけに留まらず、あくまで金融機関を介さずに資産を保管する行為そのものをタンス預金といいます。
タンス預金のメリットとデメリット
タンス預金のメリットは以下の通りです。
・ATMや銀行を訪れることなく、好きなときに現金を用意できる
・現金の用意に手数料が発生しない
・凍結などで口座が利用できなくても、現金の用意と利用ができる
・仮に銀行が破綻しても、資産が守られる
・国に資産状況を把握されづらい
対して、タンス預金のデメリットは以下の通りです。
・銀行預金による利息が発生しない
・盗難や災害により、現金を失う可能性がある
・通貨切り替えで旧通貨が無効になると、資産が無価値になる
・保管場所を失念し、疑似的に資産を失う可能性がある
・遺産相続時に、脱税などのトラブルになりかねない
手軽さも含め、タンス預金にはメリットもありますが、デメリットやリスクの大きさを考慮すると、資産の保管方法としては最善とはいえない可能性があります。
タンス預金はNG?
タンス預金自体に違法性はなく、金額の上限もありません。
ただし、タンス預金は相続税の対象になるため、遺産相続の際にタンス預金分も計上する必要があります。
タンス預金をすれば相続税の節税になると考える人がいますが、タンス預金による相続税の過少申告は節税ではなく脱税に該当する、いわゆる違法行為です。発覚した場合はペナルティが課せられることも少なくありません。
タンス預金は万が一への備えが可能
タンス預金自体は違法ではないため、金額が高額であっても、それだけでは税務署に目を付けられることはないと考えられます。ただし、遺産相続の場合など、タンス預金が違法行為の原因になるケースがあるため、注意が必要です。
自分の近くに資産を保管することで、手軽に現金を用意できる点がタンス預金のメリットといえます。
その反面、盗難・紛失などのリスクや利息が発生しないなどのデメリットもあるため、タンス預金を全面的に推奨できるとは言い切れません。
万が一の場合の備えとして一部を手元に残し、それ以外は銀行へ預けるなど、用途に応じて使い分けるようにしましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー