たばこの値上がりで、1日1箱から「2日に1箱」に減らしました。「たばこは税金が高い」と聞きましたが、どれだけ“課税”されているのでしょうか?
配信日: 2024.09.25
たばこには、さまざまな税が課税されていますが、どのような税金が課税されているのでしょうか。本記事で、たばこ税の内訳と集めた税金はどのように使われているのかを探ります。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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喫煙している人の男女比や年齢比は?
厚生労働省が令和4年に行った「国民健康・栄養調査」によると、たばこを「毎日喫煙している」または「時々喫煙する日がある」と答えた人は全国で14.8%で、このうち男性は24.8%・女性6.2%でした。
平成22年の調査では全国で19.5%で、このうち男性は32.2%・女性8.4%という結果で、10余年のうちに喫煙している人は減少傾向です。
喫煙している人の割合の年齢別では、男性では30代と40代がそれぞれ30%以上で、このうち30歳から39歳が最も多く35.8%です。女性では40歳から49歳が10.5%と最も多く、次いで50歳から59歳が8.8%です。
総務省統計局「家計調査報告(2人以上世帯)」の令和6年7月分報告によると、勤労者世帯でのたばこへの平均支出額(1ヶ月)は約1483円でした。この1ヶ月のたばこ支出額約1483円を年間額に換算すると、年間約1万7796円です。
紙巻たばこ1箱20本入り580円の場合1本あたりの金額は29円ですから、前記の平均支出額1483円から計算すると1ヶ月あたりの喫煙本数は約51本(約2.5箱)となります。
たばこにはどんな税金がかかっているの?
たばこにはさまざまな税がかかっていて、たばこ価格の約61%が税金です。財務省が公表した令和6年度「たばこ税等に関する資料」から、紙巻たばこ1箱当たりの課税額を見てみましょう。
<20本入り定価580円のタバコへの課税額>
(1)国税
たばこ税136.04円+たばこ特別税16.40円=152.44円
(2)地方税
道府県たばこ税21.40円+市町村たばこ税131.04円=152.44円
(3)消費税(10%)
定価580円÷1.1=約52.73円
たばこ税(国税142.44円+地方税152.44円)+消費税52.73円=357.61円
定価580円÷税額357.61円=税負担割合61.7%
令和4年度の紙巻たばこ・加熱式たばこなどの販売数量合計は約1492億本で、たばこ税の税収は、国税と地方税それぞれ約1.07兆円にのぼっています。地方たばこ税は買った場所の県・市町村の一般財源になり、使い道は決められておらず、主に住民生活に関わる施策に使われています。
たばこを吸う量を減らすと、どのくらいお金が浮く?
それでは、たばこを吸う量を減らすとどのくらいお金が浮くのでしょうか。580円のたばこを1日1箱で1年間吸うと、出費額は1箱580円×365日=21万1700円で、総務省統計局家計調査2024年7月分の「1ヶ月の消費支出(二人以上の世帯)」の1世帯当たり29万931円に近くなります。
1日1箱の喫煙を2日に1箱に減らすと、1年間(約182日)で約10万5560円の節約になって、家電品を新品に買い替えることなどが可能になってきます。これを3年続けると約31万6680円で、家族で数日間の国内旅行に行くことも可能でしょう。
まとめ
たばこには国税・地方税(県税と市町村税)・消費税がかかっていて、たばこ価格の約61%が税金です。たばこの税金は購入した場所(自治体)の一般財源になり、住民の日常生活へ活用されています。
喫煙する量を減らすと、浮いたお金を家電の購入など大きなお金が必要なことに使えます。家計や自分の健康状態などを確認しながら喫煙する量を調整することが望ましいでしょう。
出典
厚生労働省 令和4年国民健康・栄養調査結果の概要
総務省統計局 家計調査報告(2人以上世帯)令和6年7月分報告
財務省 たばこにはどれくらいの税金がかかっているのですか?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー