家を買った友人が「年末ぎりぎりに住み始めたら、控除を4万円多く受けられた!」と発言。1月に住み始めるのと比べて「お得」なの? 控除額をシミュレーション
配信日: 2024.12.27
特に、友人から「年末に住み始めたから控除が多く受けられてラッキーだった!」といった話を聞くと、「年末入居は本当にお得なの?」と気になるものです。
本記事では、なぜ年末の入居が有利なのか、住宅ローン控除との関係に焦点を当て、具体的な控除額のシミュレーションも交えながら解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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住宅ローン控除とは?
住宅ローン控除は、住宅の取得やリフォームのために借り入れた住宅ローンの年末時点の残高に応じて所得税が控除される制度です。
住宅ローン控除は以前からある制度ですが、たびたび改正されています。2024年1月1日から2025年12月31日の間に居住の用に供した場合の住宅ローン控除額は、年末の住宅ローン残高の0.7%が10年間にわたり、所得税額から控除されます。(年末残高の上限は2000万円)
例えば、住宅ローンの年末残高が2000万円であれば、その0.7%である14万円が控除されます。だんだんとローン残高は減っていくとは言え、これが最大10年にわたり適用されるため、控除の総額はかなりの金額になるでしょう(一般住宅の場合)。
年末入居が有利な理由とは?
住宅ローン控除は「年末時点の住宅ローンの残高」をもとに計算されます。そのため、年始ではなく年末に入居することで、借入金がまだほとんど減っていない状態の残高がそのまま控除の基準になり、「年末に入居するとお得」という話になるのです。
住宅ローン控除額は年末入居と年始入居でどれくらい違う?
では実際に、入居時期によって住宅ローン控除額にどれぐらい差が出るのか見てみましょう。
今回は次の条件にて、年末入居と年始入居でどれくらいトータルの住宅ローン控除の金額が異なるのか「イーローン」のサイトにてシミュレーションします。
・借入額:2000万円
・返済期間:30年間
・ボーナス返済:なし
・金利:0.3%、全期間固定
・返済方式:元利均等返済
・区分:新築
・種別:一般住宅
・扶養家族:1人
・年収:600万円
・居住地:東京
この条件にて、「返済開始月」が2024年12月と2025年1月の場合の住宅ローン控除の合計金額は次の通りです。
・2024年12月:119万4000円
・2025年1月:115万2000円
わずか1ヶ月の入居の差ですが、トータルの控除額は4万円以上異なることとなりました。なお、住宅ローンの控除額は入居の時期以外でも、住宅の性能や新築か中古かなどのさまざまな条件によって異なります。
いつ入居すべき? 年末に間に合わない場合の注意点
住宅ローン控除を考慮すると年末に入居したいところですが、引っ越しのタイミングは家族の都合や新居の準備状況によって異なります。では、年末に入居が間に合わなかった場合はどうなるのでしょうか?
仮に1月に入居した場合、ローン残高が減少した分控除額は減りますが、当然住宅ローン控除は適用されます。無理やり早めに入居して後々後悔するくらいなら、しっかりと準備をして1月以降の入居を検討した方が良いかもしれません。
とは言え、やはり可能であれば12月中に入居した方がお得ではあります。不動産会社に12月に入居したい旨を早めに相談したり、物件の引き渡し時期を契約前によく確認しておくのが良いでしょう。
まとめ
年末に新築物件に入居することで、住宅ローン控除の面で最大限の控除が受けられる可能性があります。1月入居との差は一見小さいように思えますが、10年分の累計で考えると大きな差が出ることもあります。
これからローンを使った住宅取得を考えている場合、可能であれば引き渡しのスケジュール時期を考慮してみるのも良いでしょう。
出典
国税庁 No.1212 一般住宅の新築等をした場合(住宅借入金等特別控除)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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