大掃除で時計やバッグをまとめて売ったら、買い取り額が「46万円」に! 夫に「確定申告しないとダメかもよ」と言われましたが、税金の対象になるのでしょうか?
配信日: 2024.12.28
本記事では、ブランド品のバッグや時計をまとめて売った際の売却益が、税金上どのように扱われるのかを解説します。あわせて、明確に課税対象となるケースについても見ていきましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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バッグや時計の売却益は税金の対象になるのか?
結論から言えば、個人が所有していたブランド品のバッグや時計を売却しても、通常は課税対象にはなりません。それは、ブランド品であっても個人が日常的に使用している場合、「生活用動産」として扱われるためです。
「生活用動産」とは、日常生活を営むうえで必要とされる財産のことで、不動産以外の物品全般を指します。そのため、普段使っているバッグや時計などのブランド品も、生活用動産に該当します。
ただし、書画、骨董品、貴金属、宝石類などは生活用動産に含まれません。これらについては、課税対象となる場合があるため、次の項目で詳しく説明します。
譲渡所得が発生する可能性があるケース
1点あたりの買取額が30万円を超える場合は、譲渡所得が発生する可能性があります。
先ほど、「生活用動産」であれば課税対象にはならないと説明しましたが、国税庁のホームページによると、「貴金属や宝石、書画、骨董品など、1個または1組の価額が30万円を超えるものの譲渡による所得」は課税対象になると記載されています。
特にブランド時計の場合、宝石が使われているジュエリーウォッチなどは、1点あたりの買取価格が30万円を超えると、「生活用動産」ではなく「貴金属や宝石」として扱われる可能性が高まります。
譲渡所得のポイントは、「1点で30万円を超える買取価格」であることです。総買取価格が30万円を超えた場合ではなく、個々のアイテムごとに判断されますので、その点は安心してください。また、この譲渡所得には年間50万円の特別控除が適用されるため、適用条件も合わせて確認しておくとよいでしょう。
ブランド品の売却益で税金が課されるケース
他にも、ブランド品の売却益に税金が課されるケースについて見ていきましょう。
事業所得になるケース
ブランド品を継続的に売却し、利益を得ることを目的として取引を行っている場合、その収益が「事業所得」と見なされる可能性があります。
例えば、購入した商品を転売する、あるいは大量に仕入れた衣料品をフリマアプリなどで継続的に販売するケースなどです。
税務署がこれを営利目的の「事業」と判断した場合、生活用動産の売却であっても、得られた利益全額が課税対象となります。ただし、課税額は売り上げから仕入れ費用や諸経費を差し引いた後の実際の利益に基づいて算出される仕組みです。
雑所得になるケース
ビジネスとして正式に開業していない場合でも、「営利目的でブランド品を継続的に売却し、利益を得ている」と認められると、所得税法35条に基づき「雑所得」として課税される可能性があります。
雑所得とは、給与所得や事業所得、不動産所得など9種類の所得に該当しないその他の所得を指します。例えば、給与所得者が本業以外で得た副収入や、フリマアプリでのブランド品の転売による利益がこれに該当します。こうした副収入も、年間20万円以上の利益(売り上げから経費を引いた額)であれば確定申告が必要です。
まとめ
旦那さまが雑所得について懸念し、確定申告を心配されたかもしれませんが、今回のように大掃除で単発的に46万円の買取額を得た場合、通常、税金はかかりません。
しかし、ブランド品の売却と税金の取り扱いは状況によって異なるため、ケースバイケースで判断することが重要です。
出典
国税庁 No.3105 譲渡所得の対象となる資産と課税方法
国税庁 No.1350 事業所得の課税のしくみ(事業所得)
国税庁 法第35条《雑所得》関係
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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