共働き夫婦です。妻の分の医療費を代わりに払っているのですが、「医療費控除」されるのは妻の方なのでしょうか?

配信日: 2025.01.08

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共働き夫婦です。妻の分の医療費を代わりに払っているのですが、「医療費控除」されるのは妻の方なのでしょうか?
1年間に医療費を一定額以上払った方は、医療費控除を申告することで税金を減らせる可能性があります。共働きの場合、夫婦がそれぞれ税金を納めるため、どちらが医療費控除するべきか迷うケースもあるでしょう。
 
医療費控除を申請する人の所得によっては、節税効果が異なります。控除額は所得金額に応じて変動するため、夫婦のどちらかが申請するほうがお得になるかを計算しなければなりません。
 
この記事では、医療費控除の仕組みや、医療費控除を申告すべき方、医療費控除の対象となるもの・ならないものについて紹介します。
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医療費控除とは

医療費控除とは、1月から12月の期間中に一定額の医療費を支払った方に対し、所得控除を受けられる仕組みのことです。確定申告の手間はかかるものの、控除により課税対象となる所得が少なくなると、所得税や住民税が軽減されることがメリットです。対象となる方はぜひ利用してみましょう。
 

医療費控除の対象金額

1月から12月までの一年間に、自分または生計をともにしている配偶者や親族に対して、合計10万円を超える医療費を払った場合、医療費控除の対象となる可能性があります。医療費控除の対象金額は、期間中に医療機関などで払った金額から、以下に該当する金額を除いた金額です。
 

・医療保険などの保険金
・10万円

 
例えば、年間の医療費の合計が15万円で、医療保険などから保険金が支払われなかった場合、医療費対象額は合計額から10万円を除いた5万円です。一方、医療保険などから保険金3万円が支払われた場合は、その金額を差し引いた残りの2万円が控除の対象となります。
 
多額の医療費がかかったとしても、保険金でまかなえた場合は医療費控除の対象とならないことに注意しましょう。なお、医療費控除の上限額は200万円です。
 

セルフメディケーション税制

医療費控除の特例として、2017年1月に開始された制度がセルフメディケーション税制です。健康維持や病気予防に注意を払っている方に対して、その費用の一部を所得から控除することを目的としています。
 
具体的には、ドラッグストアや薬局でセルフメディケーション税制の対象となる医薬品の購入金額のうち、1万2000円を超える金額(8万8000円が上限)が所得から控除されます。ただし、医療費控除とセルフメディケーション税制は併用できないため注意が必要です。
 

医療費控除は夫婦でまとめられる

共働き夫婦の場合、原則として夫婦それぞれが税金を納める必要があります。ただし、医療費控除については、医療費を必要とした本人以外の家族も申告できるため、夫婦どちらか一人がまとめて申請することが可能です。
 
例えば、夫の医療費が8万円、妻が5万円かかった場合は合計額が10万円を超えるため、医療費控除の対象となる可能性があります。一方、それぞれの医療費は10万円未満であるため、個別に医療費控除を受けられません。
 
夫婦の医療費をまとめたり、より収入の多いほうが申告したりすることで納める税額を減らせる可能性があります。
 

医療費控除になるものとならないもの

医療費控除の対象となるものは、診察代や治療代だけではありません。治療・療養に必要な薬代や通院費用なども対象となります。一方で、美容医療や通院のためのタクシー代などは対象外です。ここでは医療費控除の対象になるもの・ならないものの例をそれぞれ紹介します。
 

医療費控除になるもの

病気やけがなどの治療に対する支出額が一般的な水準を超えないものは医療費控除の対象です。医療費控除の対象になるものとして、以下があげられます。
 

・医師、歯科医師による診察や治療代の費用
・医師の処方せんで薬局で購入した医薬品
・治療のためのあんま・マッサージ店指圧師、鍼灸師、柔道整復師による施術
・往診を頼んだ医師のタクシー代
・入院時に提供される食事代

 

医療費控除にならないもの

医療技術や医薬品を用いる場合でも、病気やけがの治療以外が目的であれば医療費控除の対象になりません。医療費控除の対象にならないものとして、以下があげられます。
 

・容ぼうを美化するために行った美容整形の手術
・治療目的でない眼鏡やコンタクトを購入するために眼科医で受けた検査の費用
・インフルエンザなどの予防接種の費用

 

医療費控除は夫婦でまとめて申請できる

共働き夫婦の場合、医療費控除はどちらか一方にまとめて申請できます。合算することで金額が大きくなり、医療費控除の対象となることもあるため、便利な仕組みといえます。医療費が多くかかった年の翌年の確定申告では、忘れずに医療費控除を利用しましょう。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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