昨年は医療費が10万円を超えたので確定申告をして「還付金」を受け取るつもりです。この還付金はいつごろ受け取れるのでしょうか?
配信日: 2025.01.22
実際に還付金がいつごろ、どのように手元に戻ってくるのか、具体的なイメージがわかない人も多いかもしれません。
本記事では、所得税の還付金が戻ってくる時期や受取方法、申請時の注意点について詳しく解説します。
執筆者:浜崎遥翔(はまさき はると)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
還付金はいつごろ受け取れる?
結論から申し上げると、確定申告による医療費控除や住宅ローン減税に伴う還付金は、税務署による申告書の記載内容や添付書類等の審査など、適切な処理が行われたのちに支払われるため、一概にどれくらいで支払われるとはいえません。
国税庁は、2月、3月に行われた確定申告によって生じた所得税の還付については「おおむね1ヶ月から1ヶ月半程度の期間を要することをご理解ください」としています。一方、e-Tax(国税電子申告・納税システム)を利用した場合は「3週間程度で処理しています」と言及しているので、少しでも早く還付金が欲しい場合はe-Taxでの確定申告を行いましょう。
ちなみに、筆者は2023年分の確定申告書を2024年2月15日(木)に提出しましたが、約3週間後の3月8日(金)に入金されました。
還付金の受取方法
還付金の受取方法は、「金融機関の預貯金口座への振込」と「ゆうちょ銀行各店舗または郵便局に出向いての受取」から選べます。また、2023年1月からは、マイナポータルで登録した「公金受取口座」での受取が可能です。
スムーズに受け取りたい場合は、金融機関の預貯金口座への受け取りを選びましょう。ただし、本人名義の口座でしか受け取れないこと、インターネット専用銀行の中には還付金の振り込みに対応していない場合があることに注意が必要です。
受取方法の指定は、確定申告書の第一表右下の「還付される税金の受取場所」欄で選択することで指定できます。
登録済みの公金受取口座で受け取る場合は、「公金受取口座の利用」に丸をつけるだけで完了です。公金受取口座以外の銀行預金口座で受け取る場合は、「銀行等の名称」「支店等の名称」「預金の種類」「口座番号」を記載します。
また、ゆうちょ銀行各店舗または郵便局での受取を希望する場合は、「郵便局名称」欄に受け取りを希望する郵便局名を記載しましょう。
ふるさと納税をした人は確定申告時に注意が必要
ふるさと納税をした人で、確定申告をする人は、適切な処理をしないと寄附金控除による還付を一切受けられなくなることがあるため注意が必要です。
確定申告をしない人は、年間の寄附先を5自治体以内に抑え、ワンストップ特例制度の申請書を提出することで寄附金控除による還付を受けられます。しかし、この申請は確定申告をすることで無効となることに注意が必要です。
これを知らずに、「ワンストップ特例制度で申請したから大丈夫」と思い込んで、確定申告時に寄附金控除の申告を一切しないと、ふるさと納税がただの寄附となってしまいます。各自治体から届いた寄附金受領証明書を用意し、忘れずに確定申告時に寄附金控除の申告を行いましょう。
還付金をなるべく早く受け取るにはe-Tax、金融機関預貯金口座での受取がおすすめ
医療費控除や住宅ローン減税(1年目)の対象となる人は、確定申告をすることで所得税の還付を受けられます。2月、3月は申告が集中するため、還付金の受け取りまでには1ヶ月半程度かかることがありますが、e-Taxを使うことで3週間程度まで短縮できるのでおすすめです。
さらに、受取方法についても金融機関預貯金口座での受取を指定することで、より迅速な処理が期待できます。
また、ふるさと納税をした人は、たとえワンストップ特例制度で申請を行っていたとしても、確定申告をした場合はそれが無効になるため、必ず確定申告時に寄附金控除の申告を行わなければなりません。忘れずに行うようにしましょう。
出典
国税庁 確定申告期に多いお問合せ事項Q&A【税金の還付】
国税庁 令和6年分 所得税及び復興特別所得税の確定申告の手引き
執筆者:浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士