大学生の息子が、アルバイトで「年103万円」以上稼いでいたことが判明! もう「年末調整」の修正はできないけど、税負担はどれだけ増える?「年収650万円」の会社員のケースで解説

配信日: 2025.01.25

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大学生の息子が、アルバイトで「年103万円」以上稼いでいたことが判明! もう「年末調整」の修正はできないけど、税負担はどれだけ増える?「年収650万円」の会社員のケースで解説
扶養している子どものアルバイト収入が「103万円」を超えた場合、扶養控除(特定扶養控除)の適用条件を満たさなくなります。例えば、年末年始に息子が帰省した際にその事実が発覚した場合、「会社にすでに提出した年末調整の修正はできないし、どうすれば良いのだろう?」と困る人もいるのではないでしょうか。
 
本記事では、年末調整の締め切り後に扶養控除を変更する方法や、それによって増える税負担、注意点などを解説します。
浜崎遥翔

執筆者:浜崎遥翔(はまさき はると)

2級ファイナンシャル・プランニング技能士

年末調整期間を過ぎたら確定申告で修正

本ケースのように、年末調整で扶養控除の適用を申請していたが、その後に扶養控除の適用条件に該当しなくなったと判明した場合、かつ年末調整期間を過ぎてしまっている場合は、確定申告で扶養状況の変更を行う必要があります。確定申告は、原則3月15日(2025年は3月17日)までに行わなければなりません。
 
扶養控除を適用したままだと、結果的に税金を少なく納めることになります。後日税務署から指摘を受け、ペナルティとして延滞税や加算税が課されることがあるため、正しい申告が必要です。
 
また、扶養控除のほか、年末調整で生命保険料控除や小規模企業共済等掛金控除などの申告が漏れていたケースでも、確定申告で修正できます。
 
さらに、年間の医療費が10万円(年収が200万円未満の人は総所得金額等の5%)以上、または対象の市販薬の購入金額が1万2000円を超える場合は、医療費控除の申請も可能です。
 
確定申告をするのであれば、医療費控除が適用できるか、あらためて前年(2024年)分の医療費を確かめておくと良いでしょう。
 

年収650万円で子どもが扶養を外れた場合、税負担はどれだけ増える?

扶養控除額は通常38万円ですが、19歳以上23歳未満を扶養している場合は、特定扶養控除が適用となり、所得税63万円、住民税45万円の控除を受けられます。これがなくなるとどれほどの影響が出るのでしょうか?
 
所得税は所得が多いほど税率が上がる累進課税なので、まずは課税所得の計算が必要です。年収650万円の会社員が、専業主婦(夫)の配偶者と19歳以上23歳未満の子ども1人を扶養している場合、課税所得の計算は次の通りとなります。
 

・給与収入:650万円
・給与所得:476万円(給与所得控除174万円)
・社会保険料控除:97万5000円(給与収入の15%と仮定)
・基礎控除:48万円
・配偶者控除:38万円
・特定扶養控除:63万円
※人によってはさらに生命保険料控除や小規模企業共済等掛金控除などが加わります

 
課税所得は給与所得から各種控除を差し引いて求めるため、476万円-(97万5000円+48万円+38万円+63万円)で229万5000円となります。
 
しかし、子どもの年収が103万円を超えて、税制上の扶養から抜けた場合、特定扶養控除が適用できず、課税される所得金額が63万円増えて、292万5000円になるのです。
 
本ケースでの所得税率は、特定扶養控除の適用有無にかかわらず、195万円から330万円未満に該当するので10%となります。また、住民税率は一律10%(均等割を除く)です。
 
つまり、所得税の負担は63万円の10%にあたる6万3000円、住民税の負担は45万円の10%にあたる4万5000円が増えてしまいます。このうち所得税6万3000円は確定申告のタイミングで追加支払いが必要です。住民税4万5000円の増加は6月以降の住民税天引きで反映されます。
 

確定申告をする際の注意! ふるさと納税のワンストップ特例制度が無効に

会社員の場合、ふるさと納税の際にはワンストップ特例制度を使う人が多いでしょう。しかし、確定申告をすることになった際には、確定申告時に正しい手続きを行わなければ、寄附金控除を受けることはできません。普段確定申告をしない人は、特に注意が必要です。
 
通常、確定申告をしない場合は、ワンストップ特例制度の申請書を提出することで寄附金控除が適用されます。そのため、「ワンストップ特例制度を申請したから寄附金控除は自動的に適用される」と思い込んでいる人も少なくないでしょう。
 
しかし、確定申告を行うとワンストップ特例制度の申請は無効となり、ふるさと納税が全額自己負担になってしまいます。それを防ぎ寄附金控除を受けるためには、確定申告時に寄附金控除を申請し、控除額を正しく計算して、申告に反映させる必要があるのです。
 

扶養控除の変更は必ず確定申告で修正を!

扶養控除の適用条件が変わった場合や、確定申告が必要になった場合は、正確に手続きを行うことが大切です。手続きを怠ると、延滞税や加算税が課される可能性があり、結果として余計な税負担を抱えることになります。
 
また、確定申告を行った際には、ふるさと納税のワンストップ特例制度の申請が無効となり、あらためて確定申告時に寄附金控除の申請をしなければならない点にも注意が必要です。
 

出典

国税庁 No.2024 確定申告を忘れたとき
国税庁 各種控除について(給与所得者用)
国税庁 No.1180 扶養控除
国税庁 No.2260 所得税の税率
 
執筆者:浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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