昨年の11月にパートを辞めて、現在は働いてません。パートを辞めるときに「確定申告がんばってね」と言われたのですが、確定申告が必要なのでしょうか?
配信日: 2025.02.18

ここでは、確定申告が必要なケースと、必要でない場合の対応方法についてわかりやすく解説します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
パートを辞めた方が確定申告を行う必要があるケース
一般的に、パート勤務では勤務先が年末調整を実施するため、個人で確定申告をする必要はありません。ただし、現在パートをしていない方でも、以下の条件に該当する場合は確定申告が求められます。
・年の途中でパートを退職した場合
・医療費が年間で10万円を超えた場合
・セルフメディケーション税制を利用する場合
それぞれについて詳しくみていきましょう。
年の途中でパートを退職した場合
12月末時点で在籍している従業員を対象に企業が行う年末調整は、年度途中で退職した場合には適用されません。そのため、退職後は翌年に自身で確定申告を行う必要があります。
ただし、退職後に転職し、新しい勤務先に前職分の所得情報を提供して年末調整を依頼した場合は、確定申告を行う必要はありません。この場合、転職先が前職分と現在の所得を合算して調整を行います。
医療費が年間で10万円を超えた場合
年間の通院費や薬代が10万円を超える場合、確定申告をすることで所得控除を受けられます。
なお、「10万円」には病院への交通費も含まれます。所得が200万円未満の方の場合、所得の5%を超える部分の医療費が控除対象です。医療費控除額の計算方法は以下の通りとなります。
医療費控除額 = 実際に支払った医療費 – 保険金などで補填された金額 – 10万円(または所得が200万円未満の場合は所得の5%)
セルフメディケーション税制を利用する場合
セルフメディケーション税制を利用する際は、通常の医療費控除との併用はできません。この制度の対象商品を購入すると、レシートに★などの印が付いており、年間1万2000円を超えた分についてはレシートを添付して確定申告することで、税負担が軽減されます。
また、この制度を利用するためには、確定申告を行う本人が健康診断や予防接種、人間ドック、がん検診、メタボ検診のいずれかを受けていることが条件となるため注意が必要です。
年末調整に対する理解度
国内最大級の金融オンラインスクールである「グローバルファイナンシャルスクール」は、全国のパートやアルバイトをしている主婦1024名を対象に、「年末調整」に関するアンケートを実施しました。
調査では、これまでに「年末調整」の申告を経験したことがある人を対象に、その内容や仕組みについての理解度を尋ねた結果、表1の通りの回答が得られました。
表1
年末調整の内容や仕組みについての理解度 | |
---|---|
ある | 6.3% |
まあまあある | 22.9% |
あまりない | 46.4% |
まったくない | 24.3% |
筆者作成
調査結果から、パートやアルバイトをしている主婦の多くが「年末調整」の内容や仕組みについて十分な理解を持っていないことが分かります。
年末調整に関し相談をしたのかたずねたところ、配偶者に年末調整について相談できなかったと答えた主婦は38.4%にのぼりました。
また、相談相手として「職場の同僚」を挙げた人が32.5%、「配偶者以外の家族」に相談した人が17.6%という結果です。「誰にも相談していない」と回答した人が最も多く、全体の43.6%を占めています。
11月に退職した場合、年末調整が行われていない可能性が高いため、基本的には確定申告が必要
11月に退職した場合、年末調整が行われていない可能性が高いため、基本的には確定申告が必要です。医療費控除やセルフメディケーション税制を利用したい方も、確定申告が必要となります。
「年末調整」に関する調査結果から、パートやアルバイトをしている主婦の多くが、年末調整の内容や仕組みについて十分な理解を持っていないことが明らかになりました。年末調整や確定申告について正しい知識を持ち、自分に必要な手続きを適切に行うことが重要です。
出典
国税庁 No.1910 中途退職で年末調整を受けていないとき
国税庁 医療費控除を受ける方へ
国税庁 セルフメディケーション税制とは
pr-today パート・アルバイトの主婦にアンケート 『年末調整』理解に自信ない70.7% 意図せず「年収の壁」越えた21.9%
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー