昔のタバコは「100円以下」だったって本当? なぜ、何倍にも値上がりしてしまったのでしょうか?
配信日: 2025.02.04

もちろん、お金の価値の違いもあるため単純に比較はできませんが、昔を知る喫煙者にとっては負担が大きくなったと感じるでしょう。
そこで本記事では、タバコの昔と現在の価格差や価格の内訳について解説します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
タバコの昔の価格と現在の値段
タバコの値段は、昔と比べて大幅に上昇しています。
例えば、セブンスターは1969年の発売当初100円でしたが、現在は600円と約6倍に値上がりしています。同様に、ハイライトも1960年の発売当初は70円だったものが、現在では520円となり7倍以上の値段です。
また、ピースやホープなどの他の銘柄も同様に値上がりしています。
タバコの価格には4種類の税金が含まれる
タバコの価格には、たばこ税(国税)・たばこ税(地方税)・たばこ特別税・消費税の4種類の税金が含まれています。財務省によると、1箱580円のタバコにおける各税金の内訳は以下のとおりです。
■国税
たばこ税:136.04円
たばこ特別税:16.40円
合計:152.44円
■地方税
道府県たばこ税:21.40円
市町村たばこ税:131.04円
合計:152.44円
■消費税
52.73円
たばこ税(国税)・たばこ税(地方税)・たばこ特別税の合計額は304.88円で、580円のうち52.6%を占めています。さらに、これらの税金に消費税を加えると357.61円となり、全体の61.7%になります。
つまり、タバコ代の約6割は税金ということです。最近では平成30年度の税制改正により、たばこ税が1本あたり3円(1箱あたり60円)引き上げられることが決定し、段階的に税率が引き上げられました。
たばこ税(国税)・たばこ税(地方税)の税収の合計は、年間で2兆円程度(令和4年度:国税1.07兆円、地方税1.07兆円)で推移しており、国や地方自治体にとって重要な財源となっています。なお、紙巻きタバコの販売数量は平成8年度にピーク(3483億本)を迎え、その後年々減少傾向にあります。
タバコと他の高負担税物品との比較
国内では、お酒もタバコと同様に、高負担税物品として知られています。お酒には酒税と消費税がかかり、図表1はそれぞれの税額と酒税等負担率です。
【図表1】
品目 | 代表的な商品の 小売価格(税込み) |
酒税額 | 酒税額 | 酒税等負担率 |
---|---|---|---|---|
ビール (350ミリリットル) |
224円 | 63.35円 | 20.36円 | 37.4% |
ビール (633ミリリットル) |
362円 | 114.57円 | 32.91円 | 40.7% |
発泡酒 (麦芽比率25%未満) |
190円 | 46.99円 | 17.27円 | 33.8% |
ウイスキー | 2101円 | 301.00円 | 191.00円 | 23.4% |
連続式蒸留焼酎 | 1585円 | 450.00円 | 144.09円 | 37.5% |
単式蒸留焼酎 | 2070円 | 450.00円 | 188.18円 | 30.8% |
(令和5年12月時点)
※国税庁「令和6年6月 酒のしおり」をもとに筆者作成
酒税等の負担率は、おおむね23〜40%となっています。高い水準ではありますが、タバコの約60%と比較すると低めの負担率といえます。
税負担の増加もあり、タバコの価格は値上がりが続いている
タバコの価格は、昔と比べて大幅に上昇しています。物価やお金の価値の変化もありますが、タバコ代の大部分を占める税金の引き上げも、価格上昇の主な要因です。
タバコ代にはたばこ税(国税と地方税)・たばこ特別税・消費税が含まれており、これらの税金は自治体にとって重要な財源となっています。紙巻きタバコの販売数量は年々減少しているため、今後も税金や価格がさらに上昇する可能性もあります。
喫煙者にとっては厳しい状況ですが、タバコの価格が上昇している現状を理解しておくことは大切です。また、吸いすぎには十分注意してください。
出典
財務省 身近な税 Q たばこにはどれくらいの税金がかかっているのですか?
財務省 たばこ税等に関する資料
国税庁 令和6年6月 酒のしおり
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー