自治会長の「収入」は年間でどれくらい?自治会への報酬は「確定申告」の対象になる?
配信日: 2025.02.04

今回は、自治会長の収入や、確定申告の必要性などを解説します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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自治会長への報酬は自治会によって異なる
自治会長への報酬は、自治会によって異なります。例えば、茨城県龍ケ崎市と龍ケ崎市住民自治組織連絡協議会の「住民自治組織(区・自治会・町内会等)に関するアンケート調査報告書」によると、龍ケ崎市内の自治会代表者への報酬は表1の通りです。
表1
代表者への報酬(年額) | 割合(令和2年時点) |
---|---|
1万円未満 | 2.6% |
1万円以上5万円未満 | 29.9% |
5万円以上10万円未満 | 29.9% |
10万円以上 | 23.1% |
その他 | 14.5% |
出典:龍ケ崎市住民自治組織連絡協議会「住民自治組織(区・自治会・町内会等)に関するアンケート調査報告書」を基に筆者作成
最多は「1万円以上5万円未満」「5万円以上10万円未満」で、それぞれが約30%を占めます。
一方「年額○円」のような一律の報酬を定めていない自治会もあるようです。例えば「世帯×500円」「世帯×1000円」のように、報酬が世帯数によって変動するケースなどです。
また、自治会長への報酬がない自治会もあります。同調査によると、自治会の21.6%は代表者や役員などに報酬を払っていません。なお、表1は茨城県龍ケ崎市に限った場合のデータです。日本全国を対象にした場合などとは、金額の分布が異なる可能性があります。
自治会の報酬は「雑所得」に該当する
宮崎県宮崎市と宮崎市自治会連合会の「自治会活動の手引き 未来へつなぐきずな社会」によると、自治会の報酬は「雑所得」に該当します。雑所得は、一定額を超えると確定申告が必要です。ただし、条件額はその人の属性によって異なります。
給与所得者や年金受給者の場合、雑所得が計20万円を超えると確定申告が必要です。自治会の報酬以外の雑所得(非営業用貸金の利子や副業収入など)を確認し、合計額を算出する必要があります。
なお、公的年金等も雑所得の一つですが、上限20万円の対象には含まれません。公的年金等は雑所得とは別枠で計算され、合計額が400万円を超えれば確定申告が必要です(確定申告不要制度)。
フリーランスや個人事業主は、総所得が48万円を上回ると確定申告をしなければなりません。
なお、自治会の報酬の全額が課税対象になるとは限りません。課税されるのは、自治会の報酬から必要経費(自治会活動にかかった交通費や通信費など)を引いた額です。自治会からの収入が費用弁償の名目で払われた場合、確定申告の対象外となる可能性があります。
自治会長への報酬は自治会ごとに設定される|金額によって確定申告が必要な場合も
自治会長への報酬は自治会によって異なりますが、茨城県龍ケ崎市では、1万円以上10万円未満が約60%を占めます。一方で、報酬を一律に定めていない自治会や、自治会長に報酬を出さない自治会もあるようです。
自治会の報酬は雑所得に該当し、確定申告の対象になる可能性があります。給与所得者や年金受給者の場合、公的年金等を除く雑所得が計20万円を超えると、確定申告が必要です。フリーランスや個人事業主は、総所得が48万円以上で確定申告をしなければなりません。
ただし課税されるのは、自治会の報酬から必要経費を引いた額です。そのため、自治会の報酬の全額が課税対象になるとは限りません。
出典
龍ケ崎市住民自治組織連絡協議会 住民自治組織(区・自治会・町内会等)に関するアンケート調査報告書(6ページ)
宮崎市・宮崎市自治会連合会 自治会活動の手引き 未来へつなぐきずな社会(10ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー