「非課税世帯」とよく聞きますが、具体的に「年収」でどれくらいの場合に該当するのですか? なにかお得になるのでしょうか?

配信日: 2025.02.08

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「非課税世帯」とよく聞きますが、具体的に「年収」でどれくらいの場合に該当するのですか? なにかお得になるのでしょうか?
非課税世帯という言葉を耳にする機会も多いでしょう。しかし、具体的にどのような条件であれば該当するのか、どのような支援が受けられるのか知らない人も多いかもしれません。
 
本記事では、非課税世帯に該当する年収目安を紹介し、非課税世帯になるメリットと注意点についても解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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非課税世帯に該当する年収目安

住民税非課税世帯とは、自治体に支払わなければならない住民税の納付が免除された世帯のことです。非課税世帯の基準は各自治体や家族構成などによって異なりますが、一般的には収入が一定額以下であることが条件となります。自治体が行う各種優遇措置や公的な支援を受ける際の判断基準にもなります。
 
東京都23区に住む場合の、非課税になる要件は以下のとおりです。
 

(1)所得割・均等割とも非課税
ア. 生活保護法による生活扶助を受けている方
イ. 障害者・未成年者・寡婦又はひとり親で、前年中の合計所得金額が135万円以下(給与所得者の場合は、年収204万4000円未満)の方
ウ. 前年中の合計所得金額が区市町村の条例で定める額以下の方
・同一生計配偶者または扶養親族がいる場合
35万円 × (本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数) + 31万円 以下
・同一生計配偶者または扶養親族がいない場合
45万円 以下
 
(2)所得割が非課税
前年中の総所得金額等が、下記の金額以下の方
・同一生計配偶者又は扶養親族がいる場合
35万円 × (本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数) + 42万円 以下
・同一生計配偶者又は扶養親族がいない場合
45万円 以下
 
※東京都主税局「個人住民税」より

 
非課税世帯に該当することで、医療費助成や公共料金の減免、子育て支援金の支給など、生活を支えるさまざまな支援が受けられる可能性があります。
 

非課税世帯のメリット

ここでは、非課税世帯が受けられる支援を紹介します。
 

国民健康保険料や国民年金保険料の減免が適用される

非課税世帯になると、国民健康保険料の負担が所得に応じて2割から7割まで減額されます。家計全体の保険料負担が大幅に削減されるため、生活費の負担軽減につながるでしょう。
 
また、国民年金の保険料については、前年所得が一定額以下の場合に全額や一部免除が受けられます。これらの制度を活用すれば、支出を抑えながら将来的な備えも確保できるでしょう。
 

介護保険料の負担が軽減される

介護保険料の所得段階は通常10段階以上に細かく設定されていますが、世帯全員が非課税の場合、最も低い負担額が適用されます。将来的に介護が必要になった際には、経済的負担を軽減できるでしょう。
 
自治体によってはさらに個別の支援が提供されることもあります。例えば、入院時の食事代の負担軽減や、がん検診料金の免除、予防接種料金の無料化などです。
 

高額医療費制度の自己負担額が軽減される

非課税世帯になると、医療費が一定額を超えた場合に超過分を還付する高額医療費制度の自己負担額も軽減されます。非課税世帯には、通常よりも低い自己負担限度額が設定されているのです。
 
例えば、70歳未満の非課税世帯では、同じ医療機関に対して1ヶ月の支払限度額が3万5400円です。病気やけがなどで多額の医療費が必要になった際に大きな助けとなるでしょう。
 

0~2歳児の保育料が無償化される

2019年10月にスタートした「幼児教育・保育の無償化」により、3~5歳児の保育料が無料となりましたが、住民税非課税世帯であれば0~2歳児の保育料も無料になります。ただし、0~2歳児の場合は住民税非課税世帯の子どもに限られます。子育て環境の整備や育児の負担軽減につながり、家計の圧迫を防ぎながら子育てに専念できます。
 

非課税世帯が注意すること

非課税世帯は住民税の負担がないため、公的支援を受けやすい一方で、注意すべき点も多くあります。
 
まず、所得が増えると翌年は課税世帯となり、優遇措置を受けられなくなる可能性があります。また、支援を受けるには申請が必要な場合があり、手続きを怠ると本来の支援を受けられません。
 
さらに、世帯分離をした人は、これまで受けられていた扶養控除などの所得控除が適用されなくなり、世帯主の所得税や住民税、国民健康保険料の納付額が増える可能性もあります。
 
世帯分離を行う際は、税金の負担が軽減されるかをよく検討することが大切です。自身の所得状況を把握し、適切な手続きを行いましょう。
 

非課税世帯に該当する目安は自治体によって異なる

非課税世帯とは、住民税の納付が免除された世帯を指します。条件は自治体や家族構成により異なるため、該当するかどうかは確認が必要です。非課税世帯の条件を満たすと、保険料や医療費の負担軽減、子育て支援など多くのメリットを受けることが可能です。
 
ただし、世帯分離などの手続きにより税負担が増える可能性もあるため、認定を受ける際には慎重に検討しましょう。
 

出典

東京都主税局 個人住民税
日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度
中央区 国民健康保険料の軽減・減免
厚生労働省保険局 高額療養費制度を利用される皆さまへ(平成30年8月診療分から)
こども家庭庁 幼児教育・保育の無償化
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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