「税収」が5年連続で最高額を更新する見込み。収入が多い税目トップ3と増収の背景とは?
配信日: 2025.02.15

そこで今回は、2024年度の税収において収入が多い税目トップ3および増収の背景についても調べてみました。
税収が増えることで、さまざまな公共サービスが充実するメリットがあります。一方で、増税による国民の負担につながるなど、生活に大きな影響を及ぼすため、今後の見通しについても確認しておきましょう。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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税収が5年連続で最高額を更新する見込み! 5年間の推移と増収の背景
財務省によると、租税および印紙収入の2024年度補正後予算額は73兆4350億円で、5年連続で過去最高になる見込みであるとのことです。
2024年度の税収は、当初予算額の69兆6080億円よりも3兆8270億円上振れしましたが、好調な企業業績、雇用、所得環境の改善が背景にあるといわれています。過去5年間の一般会計税収の推移は以下の通りです。
・2020年度:60兆8000億円
・2021年度:67兆円
・2022年度:71兆1000億円
・2023年度:72兆1000億円
・2024年度(補正後予算):73兆4000億円
収入が多い税目トップ3
2024年度補正後予算額の中でも、収入が多い税目は以下の通りです。
・消費税:24兆3430億円
・所得税:20兆1090億円
・法人税:18兆540億円
これらは「基幹3税」とも呼ばれていて、昨今の物価高や好調な企業業績の影響を受けているといえます。
消費税は2019年10月に8%から10%に引き上げられたことに加えて、コロナ禍で停滞した経済が正常化し、消費が順調に回復したことが反映されているようです。また世界的な物価高が続く中、輸入品の価格が上がったことも関係しています。
法人税は、経済活動が正常化したことに加えて、円安の効果で大企業を中心に業績が伸びたことが増収につながった年もありました。企業の業績が伸びると、会社員の給与やボーナスが増え、雇用環境が改善します。そうなると所得税の収入も安定するでしょう。
なお上記以外の税目には、相続税(3兆3870億円)、揮発油税(2兆180億円)、酒税(1兆2090億円)、印紙収入(1兆420億円)、関税(9170億円)、たばこ税(9480億円)などがあります。
2025年度以降の税収の見込みは?
財務省によると、2025年度の税収の見込みとして概算額を78兆4400億円としています。これは前年度の当初予算額よりも8兆8320億円、補正後予算額よりも5兆50億円多く、6年連続で最高額を更新する見込みです。
税収を増加させる要因として、物価上昇による事実上の課税強化の影響(インフレタックス)が挙げられます。また2024年度に実施された定額減税が、2025年度は実施されないことも影響すると考えられます。
消費税に関しては、今後15%に引き上げられる可能性が議論されているようです。そうなれば大幅な税収の増収につながるかもしれません。
収入が多い税目トップ3は消費税・所得税・法人税! 物価高や好調な企業業績の影響で今後も増収が予想される
5年連続で最高額を更新する見込みの税収ですが、収入が多い税目は消費税の24兆3430億円、所得税の20兆1090億円、法人税の18兆540億円であることが分かりました。これらは「基幹3税」とも呼ばれていて、昨今の物価高や好調な企業業績の影響を受けていることが考えられます。
2025年度の税収は78兆4400億円となる見通しで、6年連続で過去最高額を更新するようです。税収が増加すれば公共サービスの改善などメリットが期待できますが、消費税の増税など国民の負担が増えるデメリットにもつながります。
税収の増減は私たちの生活に大きな影響を与えますから、今後の動向に注目するのもよいでしょう。
出典
財務省 令和7年度租税及び印紙収入概算
財務省 一般会計税収の推移
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー