医療費が毎月「2万円」を超えるわが家…「医療費控除」で戻るお金を最大化する方法はないでしょうか?

配信日: 2025.02.18 更新日: 2025.07.02
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医療費が毎月「2万円」を超えるわが家…「医療費控除」で戻るお金を最大化する方法はないでしょうか?
毎月の医療費が2万円を超える場合、家計を圧迫して支払いが大変と感じることもあるでしょう。そんなとき「医療費控除」を活用すると、還付金が戻ってくる可能性があります。
 
そこで本記事では、医療費控除の基本ルールと、還付金を最大化するための方法について解説していきます。
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医療費控除の基本ルール

医療費控除とは、1月1日~12月31日までの1年間に支払った医療費が10万円(その年の総所得金額が200万円未満の人は5%)を超えた場合に、超えた部分をその年の総所得等から控除する制度です(控除額の上限は200万円)。対象となる医療費には次のようなものがあります。
 

・医師または歯科医師に支払った治療費、処方薬代
・治療のために購入した市販薬(薬局、ドラッグストアで購入したものを含む)
・入院費用(食費も含む)
・妊娠中の定期検診、検査費
・不妊治療費
・治療に必要な松葉づえやコルセットなどの器具の購入費用
・通院のための交通費(ただし自家用車のガソリン代は対象外、タクシー代は緊急性や必要性がある場合のみ対象)
・歯科矯正にかかった費用(審美目的は対象外)
・はり師、きゅう師、柔道整復師による治療目的の施術費
・介護保険利用時の居宅サービスなどにかかる費用

 
ビタミン剤やサプリメント、リラクセーション目的のマッサージ、予防接種代、入院時の自己都合による差額ベッド代など医療費控除の対象とならないものもあるので注意しましょう。
 

医療費控除を最大化するコツ

医療費控除の還付金を最大化するためには、いくつかのポイントがあります。ここでは、主な2つの方法について紹介します。
 

家族の医療費を合算する

自分だけでなく、家族にかかった医療費を合算すると医療費控除を最大限活用できます。一人では基準額を超えなくても、配偶者や子ども、生計を一にする両親などの医療費を合わせると控除が適用されたり、あるいは控除額が増えたりする可能性があるためです。
 
子どもの通院費や、両親の入院費なども合算できます。医療費を支払った人がまとめて申告する際には領収書管理や記録が重要になるため、病院でもらった領収証は大切に保管するようにしましょう。
 

交通費の記録を細かくとっておく

前述したように、通院のための交通費は医療費控除の対象です。自家用車のガソリン代は対象外ですが、公共交通機関の場合は日付や経路を記録しておくと領収証がなくても認められます。
 
また、電車やバスなどの公共交通機関が利用できない場合のタクシー利用は対象になりませんが、急病や身体状況によりやむを得ず利用した場合など、特定の条件下では対象になる場合があります。電車やバスは1回の利用額は少額かもしれませんが、細かい費用も計上すると控除額を増やせる可能性が高まります。
 

セルフメディケーション税制を活用するほうがよい場合もある

普段からあまり病院に行かず市販薬の購入が多い、または1年の医療費が10万円に達しない場合にはセルフメディケーション税制の活用を検討してみましょう。
 
セルフメディケーション税制とは、健康の保持増進および疾病の予防として一定の取組を行っている方が、対象の医薬品を1月1日~12月31日までの1年間で1万2000円以上購入した場合に、超えた部分の金額(上限8万8000円)をその年の総所得金額等から控除する制度です。
 
対象の医薬品は、購入した医薬品のパッケージに「セルフメディケーション税制対象」などの表示で確認できます。
 
なお、医療費控除とセルフメディケーション税制はどちらか一方しか利用できないため、セルフメディケーション税制を選択した場合は医療費控除の適用を受けることはできません。また、セルフメディケーション税制の適用を受けるためには、その年に健康診査、予防接種、定期健康診断などの「一定の取組」を行っていることが条件となります。
 

医療費控除は工夫次第で戻るお金を最大化できる可能性がある

毎月2万円以上の医療費がかかる場合、家族の医療費を合算して医療費控除を行うと戻るお金を最大化できる可能性があります。また、年間の医療費が10万円に満たない場合にはセルフメディケーション税制の活用も検討しましょう。どちらを利用するかは、年間にかかった医療費や医薬品の金額に応じて判断するとよいでしょう。
 
さらに、通院のための交通費も医療費控除の対象となるため、公共交通機関の利用記録を細かくとっておくことで控除額を増やせる可能性があります。
 
年間10万円を超える医療費は、家計の負担になるでしょう。制度を上手に活用して、少しでも医療費の負担を減らしましょう。
 

出典

国税庁 No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
国税庁 No.1122 医療費控除の対象となる医療費
国税庁 令和6年確定申告特集 セルフメディケーション税制とは
厚生労働省 セルフメディケーション税制(特定の医薬品購入額の所得控除制度)について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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