「無痛分娩」の費用は確定申告で医療費控除できますか? タクシー代や入院代、産後1ヶ月健診などは?
配信日: 2025.02.21


執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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無痛分娩の費用は医療費控除の対象
無痛分娩の費用は病院によって異なるものの、通常の出産費用に加えて約15万円から20万円程度が追加でかかります。初産婦と経産婦の場合で、費用が異なるケースもあります。
医療費控除とは、1年間(1月1日から12月31日まで)に支払った医療費が10万円(その年の総所得金額等が200万円未満の人は総所得金額等の5%)を超えた場合に受けられる所得控除です。
つまり、無痛分娩をした翌年度に確定申告を通じて医療費控除を申請すれば、還付を受けられる可能性が高いでしょう。
所得控除の対象となるのは、「実際に支払った医療費の合計額-10万円」です。たとえば、実際に支払った医療費の合計額が30万円の場合、20万円を課税所得から控除できます。
出産に係る費用で医療費控除の対象になるもの
無痛分娩の費用以外にも、出産に係る費用では以下のように医療費控除の対象になる支出があります。
・妊娠と診断されてからの定期検診や検査などの費用、通院費用
・出産で入院する際に公共交通機関の利用が困難で、タクシーを利用した場合のタクシー代
・病院に対して支払う入院中の食事代
・出産時の入院費用
・分娩費
・産後1ヵ月健診の費用
・不妊治療の費用
一般的に、出産費用の合計は50万円以上になります。医療費控除の計算では、健康保険組合や共済組合などから支給される出産育児一時金や家族出産育児一時金を差し引きますが、それでも医療費控除の申請を通じて税金の還付を受けられるケースが多いでしょう。
なお、以下のような費用は医療費控除の対象にならないため、注意しましょう。
・実家で出産するために実家に帰省する交通費
・入院に際し、寝巻きや洗面具など身の回り品を購入した費用
・入院中の食事で、他から出前を取ったり外食したりした費用
・無痛分娩に関して事前に受講するセミナーの代金
・無痛分娩講座や胎児教室などへの支払い
無痛分娩に関する費用やセミナーは、医師による診療等の対価として支払われるものではなく、医師による診療を受けるため直接必要な費用でもありません。そのため、医療費控除の対象とはなりません。
出産費用の翌年に医療費控除に係る確定申告をする際には、「どの費用が対象なのか・対象外なのか」を確認したうえで、費用を集計しましょう。判断に迷う支出に関しては、あらかじめ税務署で確認しておくと安心です。
まとめ
出産時の負担を軽減するうえで、無痛分娩は検討すべき選択肢の一つです。追加で発生した費用は医療費控除の対象となるため、確定申告をするときには忘れずに計上しましょう。
無痛分娩の費用以外にも、公共交通機関で病院へいくことが困難なときのタクシー代や入院代、産後1ヵ月健診の費用なども医療費控除の対象です。
昨年度に出産し、確定申告をする予定の方は、医療費控除の対象となる支出を整理しておきましょう。
出典
国税庁 No.1124 医療費控除の対象となる出産費用の具体例
国税庁 無痛分べん講座の受講費用
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー