会社の同僚は「この時期は確定申告で忙しい」と言っています。会社員は“年末調整”だけで済むと思いましたが、違うのですか?
配信日: 2025.02.21

そのため、同じように会社勤めをしている人が「確定申告をした」という話を聞くと、疑問に感じてしまうこともあるかもしれません。
本記事では、会社員でも確定申告が必要な人の条件を始め、年末調整の対象にならない控除があった場合の確定申告の必要性について詳しくご紹介します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
会社員でも確定申告が必要な人とは?
通常、会社員は給与の支払者が行う年末調整で所得税額の確定や納税が完了します。そのため、自分で確定申告をする必要はありません。
ただし、国税庁によると、給与所得者であっても以下のような人は確定申告が必要になるため、注意が必要です。
・年間の給与収入金額が2000万円を超えている
・給与と退職金以外の所得の合計が20万円を超えている
・災害減免法により源泉徴収の猶予などを受けている
・源泉徴収義務のない者から給与等の支払いを受けている
ほかにもいくつか条件があるので、国税庁のサイトから確認してみましょう。
年末調整の対象にならない控除があったときは会社員でも確定申告を行うことがある
会社員で年末調整を受けていても、年末調整の対象にならない控除があった場合は確定申告を行うことで税金が戻ってくる可能性があります。
一定額以上の医療費を支払った場合
医療費控除を受けるためには確定申告が必要です。医療費控除とは、1年間に支払った医療費の合計が一定額を超えた場合に受けられる控除のことをいいます。納税者本人だけでなく、生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費も含まれるので確認しておきましょう。
国税庁によると、控除される金額は最高で200万円で、「(実際に支払った医療費の合計額-保険金などで補てんされる金額)-10万円(その年の総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等の5%の金額)」で計算します。
ふるさと納税で自己負担額以上の寄付を行った場合
ふるさと納税で行った寄付のうち、自己負担額2000円を超える部分について所得税や住民税がそれぞれ控除されます。
納税した金額から2000円を差し引いたものに所得税率を掛けたものが、所得税の控除額です。ただし、国税庁によれば、所得控除の対象になる寄付金の金額は総所得金額等の40%が上限となるので注意が必要です。
住民税については基本分と特例分があり、納税額から2000円を差し引いたものを基に計算して控除額を求めます。
ただし「ふるさと納税ワンストップ特例制度」を活用している場合、確定申告の不要な会社員であれば、確定申告を行わなくてもふるさと納税の寄付金控除を受けられます。
一定の要件を満たしたマイホームを取得し、住宅ローンがある場合
住宅ローンを利用してマイホームを新築・取得した場合も、初年度は確定申告が必要です。控除の対象となるためにはいくつかの要件を満たしている必要があるため、確認しておきましょう。
国税庁によれば、新築住宅を取得した場合以外にも、中古住宅を取得した場合や、増改築・耐震改修工事などを行った場合などに控除の対象になることもあるようです。控除額の計算方法についてはケースによって異なるため、確認が必要です。
年末調整を受けている会社員でも確定申告を行う人もいる
通常、会社員は年末調整で必要な納税が完了するため、自分で確定申告を行う必要はないと思っている人もいるでしょう。
しかし、会社員であっても年間の給与額などによっては確定申告が必要な場合もあります。また、医療費を多額に支払った場合や住宅ローンを利用してマイホームを取得した場合などは所得税が控除されることがありますが、年末調整の対象ではないので自分で確定申告を行わなければ税金が戻ってきません。
そのため、今回の事例のように「会社の同僚が確定申告をする」と言っていた場合は、これらの条件に該当していることが考えられるでしょう。
出典
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.1155 ふるさと納税(寄附金控除)
国税庁 パンフレット「暮らしの税情報」(令和6年度版) マイホームを持ったとき
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー