2024年に「年末調整」を受けずに退職! 無収入だけど「確定申告」は必要?
配信日: 2025.02.28

本記事では、年末調整を受けずに退職した場合に、確定申告が必要なケースについて詳しく解説します。これを読んで、必要な手続きを確認し、正しく申告できるようにしましょう。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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退職後の確定申告が必要な場合とは
会社員は毎月の給与から源泉徴収で税金が引かれ、その後、年末調整で納税額が再計算され、過不足が調整されます。しかし、退職後に収入がなくなると、これまで源泉徴収された税額が過剰になっている可能性があるのです。
つまり、12月30日以前に退職したまま再就職しない場合、年末調整を受けていないため、確定申告が必要となります。ただし、年の途中で退職した後に再就職し、再就職先で年末調整が行われていれば、確定申告は不要です。
年途中で退職した場合の確定申告手続きは自身で行う
その年の途中で退職し、12月時点で無職の場合は、翌年に自身で確定申告を行う必要があります。令和6年分確定申告の期間は、令和7年2月17日から3月17日までです。確定申告および還付申告を行うには、退職した会社から発行される給与所得の源泉徴収票が必要です。
自宅で完結! 約9割が利用するe-Tax
約9割の人が確定申告会場に足を運ばず、オンラインで手続きを行っています。e-Taxは、国税に関する電子申告・納税のシステムで、個人や法人の所得税申告をはじめとするさまざまな手続きをオンラインで行えます。
e-Taxを使うことで、申告書などのデータをインターネット経由で直接税務署に提出でき、税務署に出向くことなく、自宅で申告と納税を完了させることができるのです。
確定申告が求められる理由
日本の所得税制度では、納税者自身が所得に応じた税額を計算し、申告・納付する「申告納税制度」が採用されています。そのため、所得税を正確に納めるには、期限内に確定申告を行わなければなりません。ただし、給与所得者の場合、雇用主が給与や賞与から所得税を差し引き、納付手続きを代行するため、多くの場合で確定申告は不要です。
また、特定の条件に該当する場合は申告が必要となります。また、確定申告は、払いすぎた所得税を返金してもらう手続きとしても役立ちます。本来の税額を税法に基づいて計算し、それが既に天引きされた税額を下回る場合、過剰に支払った分を取り戻すことが可能です。この払い戻しを目的とする申告は「還付申告」と呼ばれます。
確定申告を怠るとどうなる
確定申告の期限を過ぎても申告や納税を行わない場合、延滞税や無申告加算税などのペナルティが発生する可能性があります。場合によっては高額な税負担を伴うこともあるため、注意が必要です。
また、ふるさと納税でワンストップ特例制度を利用せずに寄附した金額を税金から控除するには、寄附した総額を1年分まとめて申告する必要があります。確定申告を行わない場合、原則として寄附金控除を受けられません。
さらに、確定申告を行うことで、納税額と実際の税額が精査され、過払い分があれば還付を受けることが可能です。確定申告を怠るとこの確認が行われず、払い過ぎた税金も返金されないままとなってしまいます。
申告を忘れた場合の対応策
確定申告を忘れてしまった場合は、できるだけ早く申告を行いましょう。国税庁によると、以下の条件を満たすと、申告期限後に申告をしても無申告加算税が課されないことがあります。
・法定申告期限から1ヶ月以内に、自主的に申告を行った場合。
・期限内に申告する意思があったと認められる特定のケースに該当する場合。
年末調整を受けずに退職し、無収入となった場合でも、確定申告が必要になる場合がある
年末調整を受けずに退職し、その後無収入であっても、確定申告が必要になる場合があります。退職後に再就職せず、年末調整を受けていない場合や、過払いとなった所得税の還付を受けたい場合は、自身で確定申告を行わなければなりません。
確定申告は税額を正確に計算し、払いすぎた税金を取り戻すための重要な手続きです。申告を怠ると延滞税や無申告加算税といったペナルティが発生する可能性があるため、注意が必要です。
また、申告期限を過ぎた場合でも、早めに手続きを行えば無申告加算税を回避できる場合もあるため、速やかな対応が求められます。e-Taxを活用することで、自宅で簡単に手続きを完了させることが可能です。
出典
国税庁 No.1910 中途退職で年末調整を受けていないとき
国税庁 令和6年分確定申告期の確定申告会場のお知らせ
国税庁 No.2024 確定申告を忘れたとき
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー