友人に貸していた戸建て物件を売却したら「300万円」の利益が出ました。控除で非課税になりますよね?

配信日: 2025.03.07

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友人に貸していた戸建て物件を売却したら「300万円」の利益が出ました。控除で非課税になりますよね?
マイホームとして利用していなかったため、友人に貸していた物件を売却することもあるでしょう。物件を売却すると、その物件の購入金額や売却金額によっては利益が出ることもあります。その際に、多くの方が懸念するのが税金の支払いです。
 
そこで本記事では、物件の売却時にかかる税金について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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収益物件とは

収益物件とは、主に家賃収入を目的とした物件のことです。賃貸のアパートやマンション、戸建てのほか、テナントビルや貸店舗なども収益物件のひとつです。なお、収益物件は売買によってオーナーが変わることもあるため、オーナーチェンジ物件とも呼ばれます。ほかにも、投資物件や収益不動産と呼ばれることも少なくありません。
 
収益物件の特徴は、マイホームに比べると売却時の節税方法が少ない点にあります。収益物件は営利目的であることが理由のひとつです。また、マイホームに対しては公的な配慮もあり、売却時の税金を抑えやすくなっています。収益物件はマイホームと比較すると、売却時の税金を抑えにくいといえます。
 

収益物件の売却時にかかる税金

以下に、収益物件を売却した際にかかる主な税金をまとめました。

●譲渡所得税
●住民税
●登録免許税
●印紙税
●消費税

譲渡所得とは、物件を譲渡することで得られる利益のことです。この利益にかかる税金が譲渡所得税です。譲渡所得は物件の売却額である譲渡価額から、物件の取得費用と譲渡費用を引いて算出されます。
 
そのため、物件の売却費用や購入費用によっては、譲渡所得がマイナスになることもあります。譲渡所得がマイナスであれば、譲渡所得税はかかりません。
 
なお、譲渡所得税は譲渡所得に対し、物件の所有期間によって異なる税率をかけて計算します。税率は物件の所有期間が売却した年の1月1日時点で5年以下の場合は30%、5年を超えている場合は15%です。
 
一方、住民税は譲渡所得に対し、物件の所有期間によって異なる税率を掛けて計算します。税率は所有期間が5年以下の場合で9%、5年を超えている場合で5%です。
 
また、登録免許税は抵当権を抹消する手続きにかかる税金のことで、抵当権は債権者である金融機関などが債務者に対して、物件を担保とする権利のことを指します。なお、抵当権が設定されていない場合には、登録免許税を支払う必要がありません。
 
さらに、不動産の売買時に交わす売買契約書には、印紙税がかかります。なお、税額は売買契約書に記載されている売買代金により異なります。
 
物件の売り主が課税事業者の場合は、消費税も納めなければいけませんが、課税事業者でない場合は消費税の支払いはありません。
 

収益物件の売却時に利用できる税金対策

以下に、収益物件を売却する際に利用できる税金対策をまとめました。

●事業用不動産の買換え特例
●確定申告の青色申告による基礎控除
●売買契約の電子取引

事業用不動産の買換え特例とは、事業用の物件を売却後、一定期間のうちに事業用資産を購入した場合に、譲渡所得の一部を繰り延べできる制度です。特例を利用するには、売却資産と買い替えた資産に設定されている要件をクリアする必要があります。
 
注意すべきは、特例を利用しても減税されるわけではなく、あくまで支払いが先送りされる点です。一時的な支出を抑えられるメリットはありますが、節税にはなりません。
 
また、確定申告を行う場合に青色申告で申告することで、最大で65万円の控除が受けられます。白色申告に比べると手間は増えますが、有効な節税方法のひとつです。
 
なお、不動産の売買契約では電子取引が可能です。電子取引を行えば、印紙税を支払う必要がなく、節税につながるでしょう。
 
マイホームの場合は一定の要件を満たせば、譲渡所得から3000万円の控除を受けられる特例があります。ただし、収益物件では利用できません。状況次第ではありますが、収益物件を売却して利益が生まれている場合は、控除で非課税にすることは難しいかもしれません。
 

非課税は難しい

収益物件の売却時には状況によって、譲渡所得税などの税金がかかります。マイホームの売却であれば、要件を満たすことで大きな金額の控除を受けられますが、収益物件の売却時には適用されません。
 
また、確定申告における青色申告の控除など、節税方法はいくつかあります。しかし、収益物件の売却で一定の利益がある場合には、非課税にするのは難しいでしょう。
 

出典

国税庁 土地や建物を売ったとき
国税庁 No.3302 マイホームを売ったときの特例
国税庁 No.2072 青色申告特別控除
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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