母に「病院でもらった領収書を出して」と言われました。医療費控除に使うらしいですが、総額2万円でも出す意味はありますか?

配信日: 2025.03.11

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母に「病院でもらった領収書を出して」と言われました。医療費控除に使うらしいですが、総額2万円でも出す意味はありますか?
「病院でもらった領収書を出して」と言われた際、医療費が2万円しかない場合に「控除を申請する意味があるのか?」と疑問に思う方も多いでしょう。医療費控除は、個人や家族が支払った医療費が一定額を超えると、税負担を軽減できる制度です。
 
本記事では、医療費控除の仕組みや、2万円という少額医療費に対する効果的な対応方法を詳しく解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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医療費控除とは

医療費控除は、個人やその家族が1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合に、確定申告を通じて税金の一部を取り戻せる仕組みです。医療費の総額から基準額(年間10万円または所得の5%のいずれか低い金額)を差し引いた分が課税所得から控除され、所得税や住民税が軽減される可能性があります。
 
「医療費が10万円未満だから控除を受けられない」と考えている方もいるかもしれませんが、実際には所得が200万円以下であれば、10万円に満たなくても控除を受けられる可能性があります。基準額が所得の5%で計算されるため、収入の少ない方にもメリットがある制度です。
 

医療費控除は家計を共にする親族分も合算できる

医療費控除の魅力の1つは、自分自身の医療費だけでなく、家計を共にしている家族の医療費も合算できる点です。例えば、配偶者や同居する親族が負担した医療費を一緒に計上することで、控除対象の基準額を超えやすくなります。
 
たとえ自身の医療費が2万円だったとしても、家族全員の医療費を足し合わせて所得の5%または10万円を超える場合は、控除を受けることが可能です。とはいえ、家族全体の医療費が2万円の場合、所得が約40万円未満でなければ控除の対象にはならないため、適用条件を満たすか慎重に確認する必要があります。
 

医療費控除以外の節税対策

医療費控除は、医療費が一定の基準を超えた際に税負担を軽減できる便利な制度ですが、それだけが節税の手段ではありません。家庭の出費やライフスタイルに応じた他の制度を活用することで、さらに効率的に税金を抑えることが可能です。ここでは、医療費控除に代わる節税策として、セルフメディケーション税制とふるさと納税を紹介します。
 

セルフメディケーション税制

セルフメディケーション税制は、購入したOTC医薬品(一般用医薬品)が対象となる節税制度です。
 
1年間に購入したOTC医薬品の合計金額が1万2000円を超える場合、その超過分(上限8万8000円)が課税所得から控除されます。風邪薬や胃薬、頭痛薬などの購入費用が該当しますが、対象となる製品には専用のマークがついているため、レシートや購入明細を保管しておくことが重要です。
 
なお、セルフメディケーション税制と医療費控除は同時に利用できません。どちらがより節税効果が期待できるかは、年間の医療費や薬品購入額を比較して判断しましょう。
 

ふるさと納税

ふるさと納税は、自治体への寄付を通じて節税ができる制度です。寄付金のうち2000円を超える部分については、所得税の還付や住民税の控除が受けられる仕組みになっています。また、寄付先の自治体からは地域の特産品などのお礼の品がもらえる点も魅力です。
 
寄付金の使い道を指定できる点も特徴的で、地域の教育や福祉、環境保全など、自分が共感する分野に貢献することが可能です。複数の自治体に寄付することも可能なため、さまざまな地域の特産品を楽しみながら節税対策を行えます。
 
ただし、控除される金額は年収や家族構成によって異なるため、事前にシミュレーションを行い、自分に合った寄付額を確認することが大切です。
 

医療費が総額2万円の場合は別の節税対策を利用するのも一つの手段

医療費が総額2万円の場合、医療費控除の適用条件を満たすには、自身の所得や家族の医療費を確認することが重要です。それでも基準額に届かない場合は、セルフメディケーション税制やふるさと納税など、他の節税対策を検討しましょう。
 
これらの制度を活用すれば、少額の出費でも税負担を減らすことが可能です。節税対策を考える際は、家族全体の状況を把握し、自分に最適な制度を選択する必要があります。適切な制度を活用して、効率的に税金を抑えましょう。
 

出典

国税庁 No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
厚生労働省 セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)について
総務省 よくわかる!ふるさと納税
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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