大学生の子どもがいると税金の負担が軽くなる?もし子どもがアルバイトをしていたらどうなる?
配信日: 2025.03.14

もし扶養から外れる場合は、子ども自身に勤労学生控除が適用される可能性もあります。今回は、子どもが大学生の年齢で適用される控除や勤労学生控除などについてご紹介します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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子どもが大学生になると適用される控除とは
もし子どもが扶養に入っており、そのまま19歳に達すると、納税者である親は「特定扶養控除」の対象になります。特定扶養控除は、特定扶養親族がいる納税者に適用され、国税庁によれば控除額は63万円です。
もし配偶者控除も適用されていれば、一般の控除対象配偶者の場合最大で38万円の控除が受けられるため、合計101万円の所得控除を受けられます。子どもが特定扶養親族ではなく一般の控除対象扶養親族だったときは38万円が控除額なので、子どもが19歳になると税額負担もかなり軽くなる可能性があるでしょう。
ただし、親が特定扶養控除を受けるためには、子どもが以下の条件をすべて満たしている必要があります。
・その年の12月31日時点の年齢が19歳以上23歳未満
・納税者本人と生計を同じくしている
・1年の合計所得金額が48万円以下(給与収入のみの場合は年収103万円以下)
・白色申告者の事業専従者ではない
・青色申告者の事業専従者として一度も給与を受け取っていない
子どもが大学進学後にアルバイトを多く入れた結果、年収103万円を上回ってしまうと、特定扶養控除は受けられません。
もし扶養から外れても子どもには勤労学生控除が適用される可能性も
子どもが多く収入を得ているときは、扶養控除を外れて子ども自身に勤労学生控除が適用される可能性もあります。国税庁によると、勤労学生控除が適用される条件は以下の通りです。
・勤労による所得がある
・合計所得金額が75万円以下
・勤労による所得以外の所得は10万円以下
・特定の学校の学生や生徒
特定の学校とは、高校や大学、高等専門学校などです。控除の条件に当てはまっている場合、学生自身が職場に「扶養控除等(異動)申告書」に必要事項を記入して提出するか、確定申告をすることで勤労学生控除が適用されます。
申告が受理されると、27万円の所得控除を受けられるでしょう。
勤労学生控除を適用するメリット
勤労学生控除の大きなメリットは、学生本人の税金負担を軽くできる点です。所得金額が減少するので所得税額や住民税額が安くなり、その分手取り額が増えます。働きながら学業と両立するうえで、手取りが増えると生活も安定しやすくなるでしょう。
特に、所得税は基礎控除が48万円のため、条件を満たして勤労学生控除が適用されると、所得税はかかりません。住民税も非課税になるかは自治体によって異なる可能性があるので、確認しましょう。
勤労学生控除を適用するデメリット
子どもの年収が103万円を越え、勤労学生控除が適用されると、親の扶養範囲から外れているため親は特定扶養親族の所得控除を利用できなくなります。子どもの分の所得控除がなくなるので、以前よりも税額は高くなるでしょう。
状況にもよりますが、家計が少し苦しくなる可能性もある点に留意しておく必要があります。子どもが多く働きたがっているときは、理由を聞いたうえで扶養範囲にしてもらうのか、勤労学生控除の適用範囲にして子どもの負担を軽くするのかを決めましょう。
子どもが19歳になると特定扶養控除を受けられる可能性がある
子どもが19歳になって条件を満たしていれば、特定扶養親族となり、親は特定扶養控除を受けられます。特定扶養控除が適用されると所得金額から差し引けるため、税額が安くなるでしょう。
また、子どもが扶養を超えて働いている場合でも、子どもに対して勤労学生控除が適用される可能性もあります。勤労学生控除の対象になると、子どもの税額負担が軽くなるでしょう。
ただし、勤労学生控除の適用対象になると、親は扶養控除を受けられなくなるため注意が必要です。子どもとよく話し合って、子どもがどれくらい働くかを決めるとよいでしょう。
出典
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.1180 扶養控除
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.1175 勤労学生控除
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー