テレビとスピーカー類を買い替えたので、前のものはすべてフリマアプリで売りました。総額「12万円」ほどになったのですが、確定申告しなくてはいけませんか?
配信日: 2025.03.16


執筆者:柴沼直美(しばぬま なおみ)
CFP(R)認定者
大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
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給与所得者の場合:フリマアプリの利益が20万円を超えると申告が必要
テレビやスピーカーの買い替えで、前のものをフリマアプリで売られる方、最近増えていますよね。身近な疑問ですが、フリマアプリの収入について確定申告が必要かどうか、実はケース・バイ・ケースです。今回のようなケースについて、具体的に整理してみましょう。
フリマアプリの収益と課税対象について
フリマアプリで得た収益が課税対象になるかどうかの判断には、「売ったものが何か」と「利益がどれくらいか」がポイントになります。
ポイント1:中古品が日常生活で使っていた場合
今回のケースで売却額が購入額を超えない限り、課税対象にはなりません。
例えば、今回のようなテレビやスピーカーは、基本的には購入時より価値が下がっているため、課税対象外になる可能性が高いです。
ポイント2:利益が出た場合
一方で、購入価格より高く売れた場合、その差額が利益として課税対象です。
例えば、趣味でコレクションしていたレアなアイテムを高値で売った場合などが該当します。
具体的な計算例
今回のケースを例に考えてみましょう。
テレビとスピーカー類の購入価格が合計20万円だったとしましょう。それをフリマアプリで12万円で売った場合、購入価格を下回っているため、利益は発生しておらず、課税対象にはなりません。
一方、購入価格が合計10万円で、売却額が12万円の場合は、差額の2万円が利益として課税対象になります。
営利目的の転売と日常生活品の売却
ここで注意が必要なのは、営利目的の転売と日常生活で使っていたものの売却の違いです。営利目的で仕入れた商品を販売している場合は、その収益は事業所得や雑所得として課税されます。この場合、たとえ収益が小額でも確定申告が必要になります。
確定申告が必要な場合の基準
確定申告が必要になる基準を確認しましょう。
1.給与所得者の場合
フリマアプリの利益が20万円を超えると申告が必要です。
2.自営業者や年金受給者の場合
1年間の合計所得が基礎控除48万円を超える場合に申告が必要です。営利目的で仕入れた商品を販売している場合は、その収益は事業所得になります。
まとめ
今回のように、テレビやスピーカーをフリマアプリで売って得た金額が購入価格を下回っている場合、確定申告は不要です。しかし、購入価格より高く売れたり、営利目的での販売であったりする場合は、申告が必要となるケースもあります。
フリマアプリでの売却は、購入価格の記録や売却履歴をしっかり残しておくと安心です。
出典
国税庁 No.1906 給与所得者がネットオークション等により副収入を得た場合
国税庁 No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人
執筆者:柴沼直美
CFP(R)認定者