スポーツくじで100万円当たりました! 宝くじは確定申告不要・非課税だと聞いたのですが、スポーツくじも同じですか?
配信日: 2025.03.16


執筆者:柴沼直美(しばぬま なおみ)
CFP(R)認定者
大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
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宝くじもスポーツくじも、非課税で確定申告は不要
宝くじの当選金は 「非課税」 であり、確定申告も不要です。これは、法律で定められた「所得税法第9条」により、政府や地方自治体が運営する宝くじは税金がかからないと定められているためです。
都道府県や指定都市は公共事業などを実施する場合の財源を確保するため、総務大臣の許可を得て、銀行などに委託して宝くじを販売します。
宝くじを販売して得られた収益のうち40%程度は当選金に充てられますが、35%は少子高齢化対策、防災対策、教育施設や福祉施設の建築・改修などの公共事業に充当されます。つまり、私たちが宝くじを購入した時点で、そのいくらかは「公共事業への財源」になっているので、納税と同じことになっています。
スポーツくじ(totoやBIGなど)も 宝くじと同様に非課税 です。そのため、当選金を受け取った際に 所得税や住民税はかかりません。また、確定申告も不要です。
その理由は、スポーツくじが「日本スポーツ振興センター(JSC)」によって運営されていて、国が管理する公営くじの一種とみなされているため、税制上、宝くじと同じ扱いを受けていることによります。
くじの当選金で課税されるケース
基本的に、公営の宝くじやスポーツくじの当選金には税金がかかりませんが、以下のようなケースでは課税対象となる可能性があります。
1.海外の宝くじの当選金
日本の税法では、「海外の宝くじで得た当選金」は 一時所得 として扱われます。海外旅行のときに買った宝くじの当選金が50万円を超える場合、控除額を超えた部分の2分の1について 課税対象となりますから注意が必要です。
2.当選金を他人に譲渡・贈与する場合
くじの当選金を自分が保有する場合は課税されませんが、これを家族や知人に分けたり贈与したりした場合、受け取った受贈者に対して、1年間の贈与額が110万円を超えると贈与税の申告が必要になります。
くじを購入した人は、購入時点で公共事業の財源としてお金を払っていますが、当選金をもらった人はまさに「ぬれ手であわ」といえるでしょうから当然かもしれません。
公営企業の払戻金は確定申告が必要な場合も
公営企業(競馬、競輪、オートレース、ボートレースの払戻金)はどうなるのでしょうか。払戻金は一時所得として確定申告が必要となる場合があるとされています。
プログラミング、ソフトウエアなど技術を駆使して客観的な計算に基づき年間を通じて馬券などを購入していることが客観的に証明される場合には、雑所得として別の計算方法が採用される場合もありますが、基本的には「一時所得」であると理解したほうがよいでしょう。
例えば、10枚購入して、そのうち1枚に払戻金があった場合、一時所得の場合は払い戻しがなかった9枚の購入代金は経費として認められません。これに対して雑所得の場合は、払い戻しがなかった9枚についても経費として認められることになります。
まとめ
収益金(くじの売り上げ)が、公共事業に役立てられているという宝くじやスポーツくじは、私たちが購入した時点で公共事業のためにお金を寄付しているようなイメージですから非課税です。同時に当たりくじを譲り受けた場合や、海外で購入した当選くじの場合など対象外のケースも紹介しましたのでご確認ください。
出典
国税庁 払戻⾦の支払を受けた方へ
執筆者:柴沼直美
CFP(R)認定者