「70歳」の親を扶養する場合「扶養控除」の対象になる?同居のケースを解説

配信日: 2025.03.20

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「70歳」の親を扶養する場合「扶養控除」の対象になる?同居のケースを解説
高齢の親と同居し扶養している場合、条件を満たすことで扶養控除の対象にできます。
 
扶養控除を受ける際には、年齢や収入、同居の有無などがポイントとなります。これらの違いで控除額が変わってくるため、親族がどれに当てはまるのか、正しく判断する必要があります。
 
そこで今回は、同居する70歳になる親が扶養控除の対象となるのか、判断基準を紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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同居する70歳の親の「扶養控除」を受けるための条件

同居する親族の扶養控除を受ける場合、親族の年齢によって条件や控除額が変わります。
 
表1は国税庁の「No.1180扶養控除」を基に、扶養親族の年齢別に受けられる控除額を示したものです。
 
表1

扶養親族の区分 扶養親族の
その年の12月31日時点の年齢
扶養控除額
老人扶養親族 同居老親等以外の者 70歳以上 48万円
同居老親等 58万円

出典:国税庁「No.1180扶養控除」を基に筆者作成
 
親が70歳以上の場合、条件を満たすことで「老人扶養親族」の中の「同居老親等」の区分で所得税において58万円の控除を受けることが可能です。では、どのような条件を満たす必要があるのか、確認してみましょう。
 

控除の対象「扶養親族」になるための条件

扶養控除を受けるためには、第一条件として「扶養親族」に該当する必要があります。扶養親族になるためには、次の4つの条件を満たしていなければなりません。

●配偶者以外の親族である(例外あり)
●納税者と生計を共にしている
●年間の合計所得金額が48万円以下(給与所得のみの場合、103万円以下)
●青色申告者の事業専従者として給与を得ていない、もしくは白色申告者の事業専従者ではない

扶養控除を受けるための最大のポイントは、年間の合計所得金額です。もしも親がパートなどで働いている場合、その年間の収入が103万円以下でなければなりません。
 

年金を受け取っている親は扶養控除を受けられる?

たとえパートで働いていなかったとしても、高齢の親の場合、多くは年金をもらっているでしょう。その場合、年金収入が扶養親族になるための条件である「合計所得48万円」に引っかかってしまう可能性があります。
 
ただし、年金収入は、受け取ったままの額が48万円以下ではありません。受け取った額から年齢や収入などにより異なる「公的年金控除額」を差し引いた額が48万円以下となっていれば、扶養親族とみなされます。
 
65歳以上の場合、実際に受け取る年金額が158万円以下であれば、公的年金控除額を差し引いても48万円以下となり、扶養親族としての条件を満たすことが可能です。
 
扶養親族の計算は複雑なため、該当するか判断に迷った場合は、国税局電話相談センターや勤務先の担当者に相談してみましょう。
 

高齢の親が扶養控除の対象となるかを判断する際の注意点

扶養控除の対象となるかを判断する際の1つのポイントが「同居の有無」です。
 
高齢になると、老人ホームのような施設に入居したり、病院に長期入院したりといった可能性もあります。この場合、病院に長期入院している親は、同居しているとみなされます。
 
一方で、老人ホームに入居している人は老人ホームが居所とみなされ、同居しているとは言えないため、注意が必要です。
 

70歳の親を自宅で扶養した場合、条件を満たせば「扶養控除」の対象になる

同居する70歳になる親を扶養した場合、条件を満たすことで扶養控除の対象にできます。
 
扶養控除に該当するための一番のポイントは、親の収入です。パート勤めをして103万円以上の収入がある場合や、年金収入が158万円以上ある場合は対象外となってしまうため、注意が必要です。
 
扶養控除は、対象者の年齢や収入によって控除の可否、控除額が変わります。判断に迷った場合は、国税局や勤務先に確認してみましょう。
 

出典

国税庁No.1180扶養控除 概要 扶養控除の金額
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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