通院のためのタクシー代が“医療費控除”の対象になると聞きました。確定申告の期限を過ぎてしまったのですが、後からでも申告できますか?
配信日: 2025.04.14

通院にかかる費用は積み重なると大きな負担になりますが、実は一定の条件を満たせば、タクシー代も医療費控除の対象として認められる場合があります。また、確定申告の期限を過ぎてしまったとしても、あきらめる必要はないようです。
本記事では、タクシー代が医療費控除の対象になるのか、また、期限後でも申告できる方法、申告に必要な書類について分かりやすく解説します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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通院のためのタクシー代は医療費控除の対象になる?
医療費控除とは、その年の1月1日から12月31日までに、自分や家族のために支払った医療費が一定額を超えた場合に、所得税の一部が戻ってくる制度です。対象となるのは、医師による診察や治療にかかった費用のほか、治療に必要な医薬品の購入費などが含まれます。
それに加えて、通院にかかる交通費も一部認められています。通常は電車やバスといった公共交通機関の利用のみで、タクシー代は対象となりません。しかし、電車やバスなどの公共交通機関が使えないケースや急を要するケースだと、タクシー代が認められる可能性があります。
医療費控除の申告は期限を過ぎてもできる?
医療費控除の申告は、医療費を支払った翌年の確定申告期間中に行うのが原則で、期間は通常2月16日から3月15日までです。しかし、この期間を過ぎた場合でも所得税の還付を目的とする「還付申告」であれば、翌年の1月1日から5年以内であれば提出が可能です。
例えば、2023年に支払った医療費については、2024年1月1日から2028年12月31日までの間に還付申告を行えます。ただし、個人事業主が青色申告特別控除(最大65万円)を受けたい場合や追加納税が発生する場合は、原則通り確定申告期間内の提出が必要です。
申告が遅れると延滞税などのペナルティーが課される可能性もあるため、状況に応じて適切に手続きを行いましょう。
医療費控除の申告に必要な書類
医療費控除を受けるためには、所得税の確定申告書とあわせて「医療費控除の明細書」の提出が必要です。この明細書は、通院や治療などで支払った医療費の内訳を記録したもので、病院や薬局でもらう領収書、あるいは健康保険組合などから届く「医療費通知(医療費のお知らせ)」を基に作成します。
申告時に領収書そのものを提出する必要はありませんが、税務署から後日確認を求められる可能性があるため、領収書は5年間の保管が義務付けられています。
さらに、通院のために支払った交通費(タクシー代を含む)も対象になる場合があります。タクシーを利用した際は領収書を保管し、公共交通機関を使った場合は、通院日や経路を明記して「その他の医療費」として明細書に記載しましょう。
提出書類の内容に不備があると控除を受けられないこともあるため、早めに必要書類を準備し、正しく記入することが大切です。
場合によってはタクシー代が医療費控除の対象となり、期限後でも申告できる
公共交通機関の利用が難しかったり、急を要したりする場合は、通院にかかったタクシー代が医療費控除の対象になる可能性があります。また、確定申告の期限を過ぎてしまっても、還付申告であれば5年以内なら申告可能です。
医療費控除を受けるためには、必要書類を正しく準備し、領収書や明細をしっかり管理しておくことが大切です。日々の医療費が家計を圧迫しがちな今だからこそ、制度を上手に活用して、少しでも負担を軽減しましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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