毎日2本の缶ビールを飲む夫! 夫のビール代の「税金」はいくら払ってる? 1年分の「酒税」を計算してみた!
ところで、お酒には「酒税」などの税金が課せられており、仮にビールを1日2本飲んだ場合、年間どれだけの税負担が生じているのでしょうか。本記事で、節税する方法と併せて解説していきます。
FPオフィス Conserve&Investment代表
2級ファイナンシャルプランニング技能士、管理業務主任者、第一種証券外務員、ビジネス法務リーダー、ビジネス会計検定2級
製造業の品質・コスト・納期管理業務を経験し、Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)のPDCAサイクルを重視したコンサルタント業務を行っています。
特に人生で最も高額な買い物である不動産と各種保険は人生の資金計画に大きな影響を与えます。
資金計画やリスク管理の乱れは最終的に老後貧困・老後破たんとして表れます。
独立系ファイナンシャルプランナーとして顧客利益を最優先し、資金計画改善のお手伝いをしていきます。
ビールにかかる酒税は?
お風呂上りや食事の前の飲酒は適量であればストレスを緩和し、血行を促進するメリットがありますが、その価格には多額の税金が含まれています。
しかも、昨今は物価上昇が急速に進んでおり、お酒などの嗜好品はコスト削減の候補に挙がりやすいものです。お酒にかかる税金を確認し、コストパフォーマンスを意識したお酒との付き合い方を考えてみるのもよいでしょう。
税負担の割合は酒類によって異なりますが、ビールを例にしてみると、350ミリリットル缶の代表的な小売価格224円の場合、酒税は約63.4円課されており、消費税額20.4円を加えると約83.8円で約37.4%が税金です。これを1日2本、365日飲み続けると6万1174円の税金を支払うことになります。
ビールより酒税の低いお酒は?
現在のビールの価格に占める酒税等負担率は酒類のなかでもかなり高い部類で、清酒やワインなどの果実酒、ウイスキーのほうが負担率は低くなっています。
図表1
| 酒類 | 小売価格 | アルコール度数 | 酒税+消費税額 | 酒税等負担率 | アルコール1ml あたりの酒税等 |
|---|---|---|---|---|---|
| ビール(350ml) | 224円 | 5% | 83.7円 | 37.4% | 約4.78円 |
| 発泡酒(350ml) | 190円 | 5.5% | 64.3円 | 33.8% | 約3.67円 |
| 果実酒(720ml) | 728円 | 11% | 138.2円 | 19.0% | 約1.74円 |
| 清酒(1800ml) | 2200円 | 15% | 380円 | 17.3% | 約1.41円 |
| ウイスキー(700ml) | 2101円 | 43% | 492円 | 23.4% | 約1.63円 |
財務省「Q&A ~身近な税について調べる~」より筆者作成
ビールの代替候補としては、麦芽比率の少ない発泡酒や新ジャンル(第三のビール)がまず思い浮かびますが、酒税等負担率は比較的高く、また、2026年度に酒税率改正が予定されています。
新しい酒税ではビール・発泡酒・新ジャンルのビール系飲料は税率が統一され、ビールは減税、発泡酒・新ジャンルは増税になります。コスパを重視するのであればウイスキーや清酒に変えるとよいでしょう。
ビールとウイスキーハイボールを1日2杯ずつ飲み続けた場合、どれくらいコストが変わる?
ビールをウイスキーハイボールに変えた場合、ビールと同じアルコール度数であればウイスキー700ミリリットルで350ミリリットルのハイボールを17.2杯作ることができます。1日2本ずつ350ミリリットル缶を飲んだ場合、1年間で730缶購入することになります。
この際のコストは、ビールでは購入費16万3520円(内酒税等約6万1174円)で、ウイスキーハイボールの場合は42.5本の購入で済むので、購入費は8万9292円(内酒税等約2万894円)です。割り材である炭酸水は225本必要で、これを1L100円で購入すると2万2500円となり、購入費は合計11万1792円で、5万1728円(内酒税額約4万280円)の削減になります。
酒税の安いお酒に変えて家計改善を
ビールは酒税も小売価格も高く、1日2本購入すると家計への負担は大きなものになります。酒類は嗜好品なので単純に切り替えることは難しいかもしれませんが、可能であれば小売価格と酒税率の低いウイスキーなどに切り替えることで費用を大きく削減することができます。
出典
財務省 Q&A ~身近な税について調べる~
執筆者:菊原浩司
FPオフィス Conserve&Investment代表
