自動車税や固定資産税を「現金」で払うのはもったいない? クレジットカード払いのメリット・デメリット
田久保誠行政書士事務所代表
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、特定行政書士、認定経営革新等支援機関、宅地建物取引士、2級知的財産管理技能士、著作権相談員
行政書士生活相談センター等の相談員として、相続などの相談業務や会社設立、許認可・補助金申請業務を中心に活動している。「クライアントと同じ目線で一歩先を行く提案」をモットーにしている。
クレジットカードで払える税金は
国税の場合は、納付書によって手続きができるものはクレジットカードでの納付が可能です。また、附帯税(加算税、延滞税等)の納付も可能です。つまり、印紙税のように貼り付けて納付するものは対象となりません。
地方税の場合は、すべての自治体でクレジットカード納付が利用できるとはかぎりませんので、まずはお住まいの自治体に確認しましょう。同じく納付できる税金も違いますので確認が必要です。
また、納税とはなっていますが実質は寄付であるふるさと納税も、クレジットカード納付が可能です。
クレジットカード納付のメリットは?
クレジットカード払いのメリットは、支払いを先延ばしすることができるというメリットがあります。
クレジットカードには支払いサイトがありますので、例えば1月31日までに支払う必要がある税金は当然その日までに納付する必要がありますが、クレジットカードであれば仮に月末締めのカードで支払いが翌月の末日の場合、ひと月支払いが延ばすことができます。
また、カードによりますがポイント付与や年間何十万円以上利用したら年会費無料(半額)といったプランの場合は、税金の納付額がカウントされるケースもあります。
さらに、ネットで納税するため時間を選ばず、24時間どこからでも納付ができます。
クレジット納付の注意点は?
まず、国税も地方税も支払った後に領収証は発行されません。支払い状況は各自でクレジットカードの明細を確認する必要があります。どうしても領収証が必要な場合は、税務署や金融機関、コンビニ等から支払う必要があります。
また、領収証ではなく納税証明書の発行は可能な場合がありますが、発行までに日数がかかります。もし、車検や許認可等で期日までに納税証明書が必要な場合は、期日に余裕を持たせて納付する必要があります。
次に、クレジットカード利用時には本税に加えて決済手数料が必要です。決済手数料は、図表1のようになります。
図表1
5万円を超える納付の場合にも、決済手数料が加算されていきます。また、クレジットカード納付時の決済手数料は、国や自治体の収入になるものではありません。
さらに、個人の方でも事業をされている方や法人カードの場合でも、利用限度額のなかに納付額も加わります。納税する場合は、限度額の枠も確認しながら使用する必要があります。また、法人カードが利用できるかどうかは各カード会社に問い合わせてください。
クレジットカードで支払う際は、税務署等の窓口では利用できません。あくまでネットで納付することになります。
また、納付手続きをしたものは取り消すことができませんので、よく確認したうえで支払うようにしましょう。
ご自身が納付しやすい方法で
今回は、クレジットカード納付のメリットや注意点も見てきました。現金納付と比較しても一長一短ありますので、ご自身は支払いやすい方法で期日内に確実に支払える方法をとることをお勧めします。
出典
国税庁 G-2-4 クレジットカード納付の手続
国税庁 クレジットカード納付のQ&A
東京都主税局 クレジットカード納付について
執筆者:田久保誠
田久保誠行政書士事務所代表

