社会人2年目は、手取りが「1万円」以上減るって本当ですか? 1年目は「住民税」が免除されていると聞きましたが、給与アップしてるのにナゼ? 月給「23.5万円」のケースでシミュレーション

配信日: 2025.04.30 更新日: 2025.07.02
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社会人2年目は、手取りが「1万円」以上減るって本当ですか? 1年目は「住民税」が免除されていると聞きましたが、給与アップしてるのにナゼ? 月給「23.5万円」のケースでシミュレーション
社会人になって初めての給与をもらったとき、多くの人は「思っていたより手取りが少ない」と感じたのではないでしょうか。その理由の1つは社会保険料や所得税が引かれているためです。
 
しかし、それ以上に驚くのが社会人2年目の手取りの少なさです。昇給で1年目よりも給与が増えているはずなのに、なぜか1万円以上も手取り額が減っているという現象に戸惑う人は少なくありません。
 
その理由は「住民税」の仕組みにあります。本記事では、住民税の影響による社会人2年目の手取り額の変化について、具体的なシミュレーションを交えて解説します。
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社会人1年目は住民税がかからない?

住民税は、前年の所得に対して課税されます。そのため、新卒で入社したばかりの社会人1年目は、前年の収入が通常はゼロ、もしくは少額であることが多いので、ほとんどのケースで住民税が発生しません。
 
これが、1年目の手取り額が比較的多く感じられる理由の1つです。ただし、社会保険料(健康保険料・厚生年金料・雇用保険料)や所得税は引かれるため、額面の給与全てを受け取れるわけではありません。
 
そして、2年目になると前年の収入に基づいて課税が始まり、住民税の分、手取りが減るということになるのです。
 

手取り額をシミュレーション

実際に1年目、2年目の手取り額を具体的に計算してみましょう。
 

社会人1年目の手取り額

シミュレーションの前提条件は次のとおりとします。


・月給(賞与は除く):23万円
・社会保険料(健康保険料・厚生年金料・雇用保険料):給与の約10%(2万3000円)
・所得税:2000円
・住民税:0円(前年の収入がないため)

この場合、受け取れる手取り額は次のとおりです。
 
・23万円-2万3000円-2000円=20万5000円
 
このように、1年目は住民税がかからず、社会保険料と所得税のみが引かれた手取り額になります。
 

社会人2年目の手取り額

2年目は1年目の給与から5000円アップしたと仮定します。また、前年に収入がありますので、住民税が発生します。なお、住民税の額は地域によって異なりますが、今回は月々2万円が引かれると仮定します。シミュレーションの前提条件は次のとおりです。


・月給(賞与は除く):23万5000円
・社会保険料(健康保険料・厚生年金料・雇用保険料):給与の約10%(2万3500円)
・所得税:2000円
・住民税:2万円

この場合、受け取れる手取りの金額は次のとおりです。
 
・23万5000円-2万3500円-2000円-2万円=18万9500円
 
このように、住民税が引かれた影響が大きく、社会人2年目は昇給したにもかかわらず、手取り額は社会人1年目よりも少なくなってしまいました。
 

手取り額の減少に備えるには?

社会人2年目で手取り額が急に減ると戸惑ってしまいますが、事前に減ることを知ったうえで対策を講じておけば安心できることもあります。具体的にはどのような備えができるのか見ていきましょう。
 

1年目のうちに貯金しておく

2年目の手取り減少をカバーするために、1年目のうちに少しでも貯金をしておきましょう。急な出費があると生活が厳しくなるので、毎月一定額を貯蓄に回すのがおすすめです。
 

2年目の手取り額を想定した家計管理をする

1年目から、2年目の手取り額を想定した家計管理をしましょう。2年目で手取り額が減ったからと言って、急に支出を減らすことは難しいでしょう。
 
1年目から2年目以降の手取り額をイメージした支出を習慣化しておくことで、2年目も安心して毎月の生活を送れます。支出の削減は、まずは家賃や光熱費、通信費などの固定費を抑えることから手を付けましょう。
 

副業で収入を増やす

住民税の負担が大きいと感じる場合、会社が副業を禁止していない場合、副業で収入を増やす方法もあります。ただし、副業収入にも住民税が課されるので、所得の増え方と税金の関係を考慮する必要があります。
 

まとめ

社会人1年目は住民税がかかりませんが、2年目になると前年の収入に基づいて住民税が発生するため、1年目よりも手取り額が減少してしまうことが多いです。1年目から給与がアップしていても、手取り額が増えるとは限らないのが社会人2年目の落とし穴です。
 
この減少を見越して、1年目のうちから貯金や家計の見直しをしておくことが重要です。税金の仕組みを理解し、余裕を持った生活設計をしていきましょう。
 

出典

総務省 個人住民税
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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