自動車税の「分割払い」はできますか? 毎年夏のボーナスが出た後に納めてきましたが、退職したのでボーナスがもらえません…。

配信日: 2025.05.08

この記事は約 4 分で読めます。
自動車税の「分割払い」はできますか? 毎年夏のボーナスが出た後に納めてきましたが、退職したのでボーナスがもらえません…。
自動車を持っていると毎年5月ごろに届く、「自動車税(正しくは自動車税環境性能割または種別割)」の納付書。
 
これまで会社のボーナスを使ってまとめて支払ってきた方にとって、退職後は家計への負担が大きく感じられるものでしょう。「今年は分割で払えないだろうか」と考えるのも、自然な流れです。
 
そこで本記事では、自動車税の支払い方法や分割・猶予の制度、納期限を過ぎた場合の影響、そして困ったときの相談先について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

自動車税は分割で払える? 基本の支払いルールを確認しよう

自動車税は、原則として年に1回、一括での納付が義務付けられています。納期限は地域によって異なりますが、一般的には毎年5月末頃までです。
 
多くの都道府県では、分割払い制度は導入されておらず、納付書にも分割用の記載はありません。そのため、通常は一括で支払う必要があります。ただし、クレジットカード払いを利用して、間接的に分割払いのように支払うことは可能です。
 
例えば、クレジットカードで自動車税を納めた場合、その利用額を後からリボ払いや分割払いに変更できるカード会社もあります。なお、この方法には手数料がかかるため、事前に確認しておくことが重要です。
 

退職や収入減で払えないときの選択肢とは

収入が減った、失業したなどの理由で自動車税の納付が難しい場合、分割制度そのものは設けられていなくても、「納税の猶予制度」を利用できる可能性があります。
 
各都道府県の税事務所では、一定の条件を満たせば、納付期限の延長や分割による納付(分納)を個別に認めてくれるケースがあります。これを利用するには、原則として次のような条件が必要です。


・退職、病気、災害などにより一時的に収入が減少している
・財産や資金の状況から一括納付が難しいと判断される
・納付の意思があり、計画的な支払いが見込まれる

猶予の申請には、申請書の提出と、家計状況の証明(源泉徴収票、収入証明、通帳など)が必要になる場合があります。すべての申請が認められるわけではありませんが、状況に応じて柔軟に対応してくれる自治体も多いため、まずは相談してみることが大切です。
 

納期限を過ぎたらどうなる? 延滞金や督促の流れ

「納付できないまま納期限を過ぎてしまった……」という場合も、すぐに大きなペナルティーが課されるわけではありませんが、以下のような対応が取られます。
 
まず、納期限を1日でも過ぎると、延滞金が発生します。延滞金の利率は法律で定められており、納期限後1ヶ月以内は年2.4%、1ヶ月を超えると年8.7%(2025年4月末日時点)です。納付が遅れれば遅れるほど、金利の負担は大きくなります。
 
さらに、税務当局からの督促状の送付、それでも支払わない場合は財産の差し押さえといった法的措置につながる可能性もあります。
 

支払いに困ったら相談を! 使える制度と連絡先

とはいえ、すぐに強制的な処分に進むわけではなく、早めに税務署や県税事務所に連絡して意思を示すことが重要です。一括納付が難しいと感じたら、早めに相談することが最善の対策です。
 
多くの都道府県では、税事務所や納税課に問い合わせることで、以下のような支援を受けられる可能性があります。


・分納や猶予の制度についての説明
・必要書類の案内
・現在の状況に合わせた支払いプランの提案
・生活保護受給者や低所得世帯への配慮対応

また、税の専門家(税理士)による無料相談会が自治体で定期的に実施されていることもあるため、地元の広報誌や役所のホームページを確認するのもおすすめです。
 
特に、退職後は住民税・国民健康保険・年金など他の支払いと重なるため、どこにどのように相談すればよいかを整理することが、安心して生活を立て直す第一歩になります。
 

無理のない納付計画で、自動車税と上手に付き合おう

自動車税は原則として一括払いが前提ですが、事情に応じて「猶予」や「分納」といった相談ができる制度もあります。また、クレジットカードを使えば、結果的に分割のような支払い方法も選べるため、工夫次第で家計への負担を軽減することができます。
 
退職後など収入が減った時期は、無理に納めようとして生活に支障をきたすよりも、一度立ち止まって制度を確認し、相談することが大切です。
 
困ったときには一人で悩まず、まずはお住まいの都道府県税事務所に連絡してみましょう。制度を正しく知り、適切な方法で対応することで、自動車税とも上手に付き合っていくことができるでしょう。
 

出典

東京都主税局 納税が困難な方に対する猶予制度について
総務省 地方税制度 加算金、延滞金、還付加算金
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

【PR】
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集