前年の収入が多く「予定納税の通知」が届きました。必ず払わなければならないのでしょうか?

配信日: 2025.05.09

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前年の収入が多く「予定納税の通知」が届きました。必ず払わなければならないのでしょうか?
前年の所得に応じて届く場合がある「予定納税」の通知ですが、届いたら必ず払わなければならないのか気になる方も多いでしょう。また、支払いを怠ったり遅れたりした場合の影響も気になるところです。
 
そこで本記事では、予定納税制度の概要から、納付方法、未納時の影響までを解説します。この通知が届いた方は、参考にしてください。
FINANCIAL FIELD編集部

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予定納税は税金を先払いする制度

予定納税は、「今年の税金の一部を前もって納付する制度」です。
 
前年の所得や税額をもとに、税務署が当年の納税予測額を算出し、その金額が15万円以上になると納税者に通知が届く仕組みです。この予測は、5月15日時点で確定している情報に基づいています。
 
予定納税の目的には、分割することでまとめて払う際の負担を減らすほか、国の税収を安定的に確保するねらいがあります。
 
なお、実際の税金は翌年の確定申告で計算するため、払いすぎることはありません。予定納税額と差し引いて調整されるため、納めすぎた分は還付され、不足分があれば追加納付となります。
 
給与から所得税が源泉徴収されている会社員は、一般的に予定納税の対象外です。ただし、副業などほかの所得があり、それによる予測税額が15万円を超える場合は対象になります。
 
令和7年分の予定納税の通知は6月中旬頃に発送される予定ですので、見落とさないよう注意しましょう。
 

納付方法は振替とキャッシュレスがある

予定納税を納める方法には、「振替納税」と「キャッシュレス」があります。この2パターンの納付方法と納付期日を、表1にまとめました。
 
表1

納付方法 詳細 納付期日
振替納付 指定した金融機関の預貯金口座から自動で引き落とされる 第1期:令和7年7月31日
第2期:令和7年11月(未定)
キャッシュレス 振替納付以外の納付方法
・ダイレクト納付(e-Taxによる口座振替)
・インターネットバンキングなどを利用した電子納税
・クレジットカード納付
・スマホアプリ納付
第1期:令和7年7月31日まで納付手続きを行う
第2期:令和7年11月(未定)

出典:国税庁「令和6年分予定納税について所得税及び復興特別所得税の予定納税(第1期分)の納税をお忘れなく」を基に筆者作成
 
第1期の納付期日は令和7年7月31日です。第2期の納付期日は現時点では確定していないため、通知書や国税庁のホームページで確認しましょう。
 
なお、確定申告の際は予定納税額(第1期・第2期の合計額)を記載しなければなりません。記載し忘れのないように注意しましょう。
 

納付が遅れると延滞税がかかるので注意

納付期限を過ぎた場合や、口座残高不足で振替納付ができなかった場合は、期限の翌日から実際に納付される日までの期間に対して延滞税が課されます。
 
納期限を過ぎた時点から即座に延滞税が発生するため、必ず期限内に納付するよう注意しましょう。
 

状況によって減額申請ができる

令和7年の途中で廃業や休業をしたり、事業の状況が悪化して収入が大きく減ったような場合には、予定納税の金額が実際の所得に対して高くなりすぎてしまうことがあります。そうしたときは、納税額を減らしてもらう「減額申請」を行いましょう。
 
具体的には、令和7年6月30日の時点での収入状況などから計算した、その年の見込み納税額(=申告納税見積額)が、税務署から通知されている予定納税の基準額より少なくなると見込まれる場合に、減額申請が可能です。
 
この申請を行うには、「予定納税額の減額申請書」に必要な内容を記入し、令和7年7月15日までに所轄の税務署に書面で提出するか、e-Tax(インターネットを使った電子申告システム)を通じて提出してください。
 
税務署は内容を審査したうえで、申請をすべて認める「承認」、一部だけ認める「一部承認」、あるいは認めない「却下」のいずれかの判断を行います。なお、その結果は書面またはe-Taxで通知されます。
 

予定納税の通知が来たら必ず納付を。ただし、状況によっては減額申請も可能

前年の所得額などを基に予測された税額が15万円を超えた際に、「予定納税」の通知が届きます。
 
「予定納税」は、第1期と第2期の2回に分けて納付しますが、それぞれの納付期日を過ぎた翌日から延滞税が発生するため期日内に必ず納付しましょう。
 
なお、廃業や休業などの理由で実際の見込み納税額が予定納税額より少ない場合は、減額申請が可能となります。
 

出典

国税庁 所得税及び復興特別所得税の予定納税(第1期分)の納税をお忘れなく
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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