主人が単身赴任中ですが「住宅ローン控除」は私も使えるのでしょうか?
配信日: 2025.05.09

ただし、夫が単身赴任となって住民票を移した場合や、実際に家に住んでいない場合には、「控除を受けられなくなるのでは? 」と不安に思う方も多いようです。
本記事では、単身赴任中でも住宅ローン控除を受けられる条件や、妻が控除を使えるかどうかなど、家族の状況に合わせた注意点を分かりやすく解説します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
単身赴任でも住宅ローン控除は使える?
住宅ローン控除は、住宅ローンを組んでマイホームを取得し、実際に「自分が住むため」に使っていることが前提です。この「自ら居住する」という条件を満たしていないと、控除は使えません。では、夫が単身赴任で住宅に住んでいない場合はどうなるのでしょうか?
実は、「単身赴任」は例外的に認められているケースです。ただし、単身赴任中も「生計を一にする家族が引き続きその住宅に居住している」場合に限り、住宅ローン控除は継続して受けられます。
国税庁も、「やむを得ない事情で一時的に居住しなくなった場合」でも、家族が住み続けていれば居住要件を満たすとしています。
つまり、単身赴任が一時的であり、引き続き「生計を一にする家族がその住宅に実際に居住し、生活の本拠地として使われている」と認められれば、住宅ローン控除は受け続けられます。
夫が控除を受け続けるには? 単身赴任中の適用条件とは
住宅ローン控除を単身赴任中でも受け続けるには、以下の条件を満たすことが重要です。
●住宅が引き続き「生活の拠点」として使われていること
●家族(妻や子ども)が住宅に住み続けていること
●単身赴任が一時的なものであると考えられること
住民票を単身赴任先に移した場合でも、住宅ローン控除は打ち切られないことがあります。ただし、税務署に「居住の実態」を説明するために、家族が現在の自宅に住んでいる証拠(電気代・水道代など)を示せるようにしておくと安心です。
また、夫が帰省して住民票上の住宅に一時帰ることがあると、より「居住の実態」が強くなります。こうした行動も、住宅ローン控除の継続を後押しします。
この取り扱いは、転勤先が国内・国外のいずれでも、平成28年4月1日以降に住宅を取得した場合に適用されます。
ただし、平成28年3月31日以前に住宅の取得等をした場合には、この制度の適用対象者が「居住者」に限られていたため、転勤先が国外で「非居住者」に該当することとなる場合、この取り扱いの適用はありません。
妻は住宅ローン控除を使える? 名義や収入のポイント
夫ではなく、妻が住宅ローン控除を使いたいというケースもあるかもしれません。たとえば、夫が単身赴任中で妻が住宅に住み続けている場合でも、妻が住宅ローンの契約者かつ登記名義人でなければ控除は受けられません。
ただし、住宅ローン控除を使えるのは、あくまでローン契約者であり、住宅の登記名義人である必要があります。たとえば、住宅ローンが夫単独の名義になっていれば、妻が住宅に住んでいたとしても妻は控除を受けることはできません。
もし夫婦でローンを組んでいる(ペアローン)場合は、それぞれが条件を満たしていれば控除を受けられます。そのため、将来的に控除を分け合いたいと考えるなら、住宅取得時に名義やローンの組み方を工夫しておく必要があります。
単身赴任中の住宅ローン控除、家族で損をしないために
単身赴任は、家族にとってさまざまな負担がかかる生活スタイルです。住宅ローン控除についても、誤解や勘違いから本来受けられるはずの控除を逃してしまうこともあります。
まずは、住宅ローン控除の条件を再確認しましょう。単身赴任中でも、住宅が生活の拠点であり続けているか、家族が居住し続けているかがポイントになります。控除を受け続けるには、「居住の実態」を示す資料を残しておくことも有効です。
また、控除の名義や住宅の所有者についても確認しておくと、いざというときに慌てずに済みます。控除の対象にならない場合でも、場合によっては他の節税手段を検討することもできます。
税制は毎年少しずつ変わるため、不安な場合は税務署や税理士に相談するのが確実です。単身赴任という特殊な事情があるからこそ、早めの情報収集と正確な手続きを心がけましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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