年末調整をしたら「4万円」の追加徴収されたという友人。会社員が追加で税金を支払うケースはどんなときなのでしょうか?

配信日: 2025.05.09

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年末調整をしたら「4万円」の追加徴収されたという友人。会社員が追加で税金を支払うケースはどんなときなのでしょうか?
年末調整では、従業員の給料に対する正確な税額を求めます。年末調整では還付を受けられると考える方もいるかもしれませんが、結果は人によって異なります。
 
しかし、仕組みを知っておくことで、年末調整の時期に給料が減った場合も、驚かずに済みます。今回は、年末調整の実施内容や追加徴収される例などについてご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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年末調整で行われること

会社から給料を受け取っている方は、月収やボーナスから源泉徴収として一定の所得税が差し引かれ、納付されています。国税庁によると、源泉徴収の金額は「給与所得の源泉徴収税額表」と「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を基に計算されたものです。
 
源泉徴収税額表では、従業員の扶養親族の人数や給料などに応じて税額があらかじめ決められています。例えば、その月の社会保険料などを控除したあとの給与が28万7000~29万円で扶養親族が0人のとき、源泉徴収額は7920円です。
 
しかし、扶養親族の人数や給料が同じでも、実際の負担額は細かな条件によって異なります。この差を計算する作業が年末調整です。
 
国税庁によると、年末調整は原則その年の最後の給料支払いの際に行われます。ただし、年の途中で死亡退職となったり海外へ転勤したりといった場合は、退職や転勤のタイミングで実施されます。
 
年末調整の対象となるのは、1年間で支払うことが確定している給料などです。年末調整が行われたタイミングで給料が支払われていなくても、年内の支給が確定しているならその金額も年末調整の対象になります。
 

追加徴収されるのはどんなとき?

会社員が追加で税金を徴収される場合、以下のような状況が挙げられます。

●扶養親族の人数の減少
●控除の減少
●給料やボーナスの増加

扶養親族が年の途中で少なくなると、扶養控除の対象人数が減るため、最終的な税額は高くなる可能性があります。年末調整では、年末時点での扶養親族の人数を基に計算するためです。控除の減少で税額が高くなるのも同様の理由です。控除額が減るほど、課税所得は高くなります。
 
また、給料やボーナスが年の途中で高くなった際も、追加徴収の対象になるでしょう。月の源泉徴収額はあくまで基準を基に見積もられた金額で、年末時点の年間給与額を基にした金額の方が高くなるためです。課税所得額が上がり、税額が増加します。
 

追加徴収が決まるとどうなる?

国税庁によると、追加徴収が決まった従業員は、年末調整をした月の給料から必要な金額が差し引かれます。そのため、12月の月収は11月までの月収よりも少なくなるでしょう。
 
ただし、12月分からの追加徴収により、同年の1~11月までの平均税引手取給与月額に対して70%未満になる場合、不足分を翌年の1月と2月の給料からの徴収に延長できる可能性があります。徴収を繰り延べる場合は申請書をその年の最後の給料支払い日前日までに税務署長へ提出し、承認を受けることが必要です。
 
なお、年末調整に関する一連の作業の多くは会社が行います。該当する従業員本人はとくに手続きが必要ありません。しかし、内容を知っておくことで、追加徴収された際になぜ給料から新たに税金が引かれたのかが分かるでしょう。
 

扶養親族の人数が変わったり控除が減ったりすると追加徴収になる可能性がある

通常、給料からは概算の給与所得や扶養親族の人数などの条件を基に、源泉徴収される金額が決められます。そのため、扶養親族の人数が年の途中で変わったり控除が昨年よりも少なくなったりすると、源泉徴収の税額では足りず追加徴収される可能性があるでしょう。
 
追加徴収が決まった場合、年末調整を行った時点での月の給料か、場合によっては翌年1月、2月の給料から差し引かれます。従業員は特別な手続きは必要ありませんが、仕組みを知っておくことで給料から追加徴収されたとしても、理由が分かって安心できるでしょう。
 

出典

国税庁 給与所得の源泉徴収税額表(令和6年分)(二)月額表(2ページ)
源泉徴収のしかた 令和6年版
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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