歯科治療の際に「セラミックの差し歯」を勧められました。かなり高額だったのですが、「医療費控除」は受けられますか?

配信日: 2025.05.10

この記事は約 4 分で読めます。
歯科治療の際に「セラミックの差し歯」を勧められました。かなり高額だったのですが、「医療費控除」は受けられますか?
差し歯や虫歯治療などに使われる詰め物は、さまざまな材質のものが使われています。特に、セラミックは硬く元の歯の色とも近いため、治療跡が気になりにくく人気の材質です。
 
ただし、セラミック治療は保険治療の範囲外であることも多いため、数万円から数十万円などの費用がかかることも少なくありません。この場合、保険治療対象外の施術であっても、医療費控除が受けられるのでしょうか。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

「セラミック治療」は医療費控除の対象

まず、国税庁「タックスアンサー(よくある税の質問)No.1128 医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例」によると、「歯科医師による診療または治療の対価で、その病状などに応じて一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額は、医療費控除の対象となる医療費に該当」としています。
 
「一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額」というのは具体的な金額が明示されているわけではありませんが、保険治療対象外でもセラミックによる治療は多くの歯科医院によって一般的に行われている施術と判断されるため、医療費控除の対象となっています。
 
しかし、セラミックの施術は治療目的と歯を美しく白く見せる目的のものがありますが、このうち治療的要素が含まれない後者の費用は医療費控除の対象外となる点には注意しましょう。
 
例えば、治療の必要はないが歯並びを完璧に整えたい、歯をもっと白く見せたいなどの「審美目的」の治療については、「容ぼうを美化するための費用は、医療費控除の対象になりません」と記載されています。
 

医療費控除を受けるには「確定申告」する必要がある

セラミック治療にかかわらず、医療費控除を受けるためには申告者本人が確定申告する必要があります。これは、所属する企業などが年末調整を行い、それまで確定申告をする必要がなかった給与所得者も同様です。
 
医療費控除を受けるためには、まず1月1日から12月31日までの1年間分の医療費がわかる領収書などの書類をまとめます。1年間の医療費の合計金額から、保険金などで補填される金額を差し引き、そこからさらに「10万円未満(総所得金額が200万円未満の場合はその金額の5%)」を差し引いた金額が医療費控除の対象となる金額になります。
 
医療費控除額を計算したら、「確定申告書」と「医療費控除の明細書」より作成します。明細書は、領収書などに記載された金額ごとに記載する必要はなく、同じ医療機関や施術内容であればまとめて記載することも可能です。書類の準備が完了したら、本人確認書類とあわせて税務署へ提出すれば完了です。
 

「確定申告期間」が終わっても5年以内であれば「還付申告」が可能

なお、確定申告時に他に納める税金がない「還付申告」の場合は、毎年2〜3月に締め切りを迎える確定申告期間に間に合わせる必要はありません。還付申告による医療費控除の申告は、申告する年より5年以内であればさかのぼって申告することが可能です。
 

まとめ

医療費控除は通常の確定申告や年末調整には含まれない控除のため、「今まで申告したことがない」という人も少なくないのではないでしょうか。
 
金額の計算や書類作成などの手間はかかりますが、医療費控除の申告をすることで還付金が戻ってくる可能性もあるため、「医療費が高くついてしまった」と感じている方は医療費控除の対象になるかどうか一度確認してみてはいかがでしょうか。
 

出典

国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.1128 医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

【PR】
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集