「長期優良住宅」は税金が安くなると聞きました。認定の有無でいくらくらい変わるのでしょうか?
もし長期優良住宅と認定されれば、税制面での優遇を受けられます。住宅の購入後に少しでも節税したい、ローンの負担を減らしたいと考えるなら、ぜひ確認したいところです。
今回は、長期優良住宅の概要に加え、認定の有無で税額がどれくらい変わるかについてご紹介します。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
長期優良住宅とは
長期優良住宅とは、長期間にわたって良好な状態を維持できるよう措置が施された住宅のことです。基本的には、以下10項目の基準に当てはまっていれば認定を受けられます。
・劣化対策
・耐震性
・省エネルギー性
・維持管理/更新の容易性
・可変性(共同住宅・長屋の場合)
・バリアフリー性(共同住宅等の場合)
・居住環境
・住戸面積
・維持保全計画
・災害配慮
なお、建築の時期や増築・改築の有無などで一部項目の基準が異なります。認定を受けたい場合は、自身の住む家に適用される基準を調べておきましょう。
長期優良住宅に認定されるメリット
長期優良住宅に認定されるメリットは、減税や税率の引き下げなどがあることです。ここでは、新築の場合の主なメリットについて解説していきましょう。
住宅ローン減税を利用できる
長期優良住宅に認定されると、住宅ローン減税の条件が優遇されます。住宅ローン減税とは、年末のローン残高の0.7%に当たる金額を所得税から差し引き、控除しきれなければ住民税からも控除できる減税措置です。
借入限度額や控除期間は住宅の環境性能によって異なりますが、新築住宅の場合は借入限度額が4500万円、控除期間が最大13年です。若者夫婦世帯や子育て世帯は、限度額が5000万円になります。
仮に、若者や子育て世帯ではない人が新築の長期優良住宅に2025年12月までに入居し、12月時点の住宅ローン残高が4500万円以上だったとしましょう。長期優良住宅であれば控除対象となる借入限度額が4500万円なので、「4500万円×0.7%」の最大31万5000円が減税されます。
投資型減税を利用できる
投資型減税とは、上限を650万円として標準的な性能強化費用相当額の10%を、その年の所得税から控除できる減税です。ただし、住宅ローン減税との併用はできません。
そのため、性能強化に費用を使ったときは、住宅ローン減税とどちらがよりお得になるかを一度計算するとよいでしょう。
登録免許税の税率引き下げ
登録免許税は、固定資産税評価額に税率をかけ算出されます。税率は、保存登記が0.15%、移転登記の戸建てが0.3%、マンションは0.3%です。もし長期優良住宅に認定されると、各税率は以下のように変わります。
・保存登記:0.1%
・移転登記戸建て:0.2%
・移転登記マンション:0.1%
不動産取得税の控除額増額と固定資産税の減税措置の延長
長期優良住宅は、不動産取得税と固定資産税も税の特例措置の対象です。まず、不動産取得税を計算する際、課税標準額から控除される金額が1200万円から1300万円に引き上げられます。
さらに、固定資産税では2分の1に減額される適用期間が戸建ては1~3年が1~5年に、マンションは1~5年が1~7年に延長される点もメリットです。特に、固定資産税は減額措置期間が延びる分、長期間の節税ができます。
長期優良住宅は31万5000円の減税などを受けられる可能性がある
長期優良住宅は、10項目の基準に沿っていれば認定を受けられます。もし長期優良住宅と認められると、住宅ローン減税の利用を始めとする、さまざまな税の特例措置などを受けられる点がメリットです。
もし住宅ローン減税で上限4500万円が適用された場合、最大で31万5000円の減税になる可能性もあります。固定資産税のように長期にわたって減税されるものもあるので、活用しましょう。
出典
一般社団法人住宅性能評価・表示協会「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」の長期優良住宅認定制度の概要について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
