引っ越したのに、旧住所に「住民税の納付書」が届きました。20万円納付する必要があるようですが、新住所との“二重請求”ではないですか? 支払う必要はあるのでしょうか?
本記事では、旧住所宛ての納税通知書が新住所に届いた場合はどうすればいいのか解説します。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
目次
住民税の納税通知書(納付書)はいつ、どこから発行される?
住民税の納税通知書(納付書)は、1月1日に所在がある市町村から発行されます。したがって、年度替わりの時期に引っ越した先の市町村で納税義務が発生するのは、翌年の1月1日になってからです。
納税通知書が自宅に届くのは6月中旬ごろです。住民税が給与から天引きされる場合は、会社の給与担当者あてに5月中旬以降に発行されます。このとき、「3月に引っ越したのに納付先が旧住所の自治体になっている」と驚くかもしれませんが、問題ありません。
旧住所と新住所、二重に納付書が届くことはない
旧住所がある自治体から納税通知書が届いたら「新住所がある自治体からも届くかもしれない」と慌ててしまうかもしれませんが、旧住所と新住所で二重に届くことはありません。すでに解説した通り、住民税の納付先は、納税義務が発生する1月1日時点で住所があった自治体です。
旧住所と新住所、納税を月割りにするの?
年の途中で引っ越した場合であっても、旧住所と新住所で納付先を分ける必要はありません。住民税は年額で決定されるもので、旧住所の自治体に納付することになるのです。分割払いで、金額を分けて払う場合も納付先を分けていることにはなりません。
3月にA市からB市に引っ越した場合
●1年分の住民税をA市に支払う
●自分で払う場合は4回まで分割払いが可能
●給与天引きの場合は6月から翌年5月まで毎月引き落し
なお、毎月の給与天引きでない場合は1年分の住民税の納付書が届くため、「20万円」という金額も大いにあり得ます。旧住所と新住所で二重に請求されている、ということはありません。
転出・転入届を提出しないと罰則がある
住民税は基本的に、住民基本台帳に登録されている、自治体に住所を持つ住民について課されます。住民基本台帳法によると、引っ越しをしたにもかかわらず、役所へ届け出なかった場合は5万円以下の過料に処せられることがあります。引っ越しに伴う以下の手続きは、かならず期限内に行うようにしましょう。
【引っ越し前の手続き】
●転出(市区町村から出ること)
期間:引っ越し1ヶ月前から手続き可能
【引っ越し後の手続き】
●転入(市区町村に入ること)
●転居(市区町村内での引っ越し)
●世帯主変更、世帯合併、世帯分離
期限:引っ越し後14日以内
期限を過ぎても手続きは可能ですが、疎明資料(引っ越し日を証明する何らかの書類)の提出を求められることがあります。病気・震災・風水害そのほか不可抗力によって届出ができなかった場合を除き、届出を長期間しなかった場合は、手続き後に簡易裁判所から過料の通知が届きます。
まとめ
引っ越し後に住民税の納税通知書が届いたら、まずはどこの自治体から届いたのか確認しましょう。正しいのは「1月1日時点に居住していた自治体」で、「引っ越し後の自治体」ではありません。
現住所ではない自治体から納税通知書が届いたときに慌てないように、「納税地が切り替わるのは1月1日」と覚えておきましょう。
出典
総務省 個人住民税
総務省 森林環境税及び森林環境譲与税
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
