同じ車を購入した友人の方が自動車税は「4000円」安い!?購入した年で税額は変わるの?
今回は、自動車税の概要や同じ車でも税額に差が出る理由などについてご紹介します。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
自動車税とは
自動車税は取得時に課される「環境性能割」と保有していることで課される「種別割」の2種類があります。
総務省によると、環境性能割は「自動車がもたらすCO2の排出、道路の損傷、交通事故、公害、騒音などの様々な社会的費用にかかる行政需要の原因となる者へ負担を求めるもの」として2019年に創設されました。自動車の燃費基準や排出ガス規制の達成度など、取得した車の環境性能によって、取得価格の0~3%の税金が課されます。
種別割は、毎年4月1日のタイミングで車を保有していると課税対象です。環境性能割が創設される以前は「自動車税」の名前が付いていた税金で、環境性能割の導入とともに名前が変更されました。種別割では、車の総排気量などに応じた税額設定がされています。
同じ車でも自動車税種別割の金額が異なる理由とは
同じ車を利用している友人の自動車税が安い場合、2019年10月1日以降に車を購入している可能性があります。税制改正により、2019年10月1日以降に初回新規登録をした自家用乗用車の自動車税種別割は、改正前よりも安く設定されているためです。
総務省によると、改正前と改正後の金額は表1の通りです。
表1
| 排気量 | 改正前 | 改正後 |
|---|---|---|
| 1000cc以下 | 2万9500円 | 2万5000円 |
| 1000cc超~1500cc以下 | 3万4500円 | 3万500円 |
| 1500cc超~2000cc以下 | 3万9500円 | 3万6000円 |
| 2000cc超~2500cc以下 | 4万5000円 | 4万3500円 |
| 2500cc超~3000cc以下 | 5万1000円 | 5万円 |
| 3000cc超~3500cc以下 | 5万8000円 | 5万7000円 |
| 3500cc超~4000cc以下 | 6万6500円 | 6万5500円 |
| 4000cc超~4500cc以下 | 7万6500円 | 7万5500円 |
| 4500cc超~6000cc以下 | 8万8000円 | 8万7000円 |
| 6000cc超 | 11万1000円 | 11万円 |
出典:総務省「2019年10月1日、自動車の税が大きく変わります」を基に筆者作成
例えば、排気量が1200ccの車を、2018年10月と2019年10月にそれぞれ購入した人物がいたとしましょう。このケースだと、2018年10月に購入、初回新規登録をした車の方が2019年10月に購入、初回新規登録した車よりも4000円多く種別割がかかります。
もし15年同じ車を持っていれば、「4000円×15年」で種別割の税額は6万円の差になるでしょう。
新車新規登録から11~13年経つと重課も加わる
新車新規登録から、ガソリン車は13年、またディーゼル車は11年以上経過すると、通常の税金に加えて重課が適用されます。グリーン化特例のひとつで、長期間使用している車は環境への負荷が大きいと考えられていることが課税される理由です。
税率は車によって変動しますが、重課では「自動車税種別割×15~20%」が目安です。もし2019年9月に購入した排気量1200ccの車に15%の重課が加わると、自動車税種別割は3万9675円ほどになるでしょう。
車の初回新規登録が2019年の10月より前か以降かで税額が変わる
自動車税は環境性能割と種別割で成り立っています。もし同じ車を保有しているにもかかわらず友人よりも自動車税の金額が高くなるときは、種別割の金額に差が出ている可能性があるでしょう。種別割は2019年10月に税額が改正されたためです。気になる場合は、友人に車の購入タイミングを聞くとよいでしょう。
なお、新車新規登録から11~13年経過すると重課により税額が高くなります。友人の車が重課の年数に達しておらず、自身の車は課税対象になっていた場合も、友人より自動車税の負担が大きくなるでしょう。
出典
総務省 自動車税・軽自動車税
総務省 2019年10月1日、自動車の税が大きく変わります
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
