50代主婦で「年収100万円」以下でパート中! 年収の壁が引き上げられると聞いて「年収150万円」まで収入を増やしたいです。本当に“税金”はかかりませんか? 税制改正での見直しポイントを解説!

配信日: 2025.05.25 更新日: 2025.07.02
この記事は約 3 分で読めます。
50代主婦で「年収100万円」以下でパート中! 年収の壁が引き上げられると聞いて「年収150万円」まで収入を増やしたいです。本当に“税金”はかかりませんか? 税制改正での見直しポイントを解説!
2025年3月31日、新年度の税制改正関連法が参議院で可決、成立しました。新制度では年収の壁が引き上げられることになり、仕事量を増やそうと考えているパートの人も多いでしょう。
 
新しい税制で年収150万円まで仕事量を増やした場合、税金はかかるのでしょうか? 本記事では、制度改正によって年収の壁がどのように変わったのかを解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

税制改正によって「年収160万円」までなら税金がかからない!

今回の税制改正で見直されたのは、所得税に関する年収の壁です。これまでの「103万円の壁」が「160万円の壁」にまで引き上げられました。改正で見直されたのは、「基礎控除」と「給与所得控除」の金額です。それぞれ図表1のように引き上げられました。
 
図表1

図表1

財務省 「所得税法等の一部を改正する法律案」について、自由民主党 公明党 基礎控除の特例の創設について より筆者作成
 
当初の政府案では、基礎控除と給与所得控除をそれぞれ10万円引き上げて、年収の壁を123万円にする予定でした。
 
それが国会での議論を経て基礎控除を最大47万円引き上げる特例を創設することで、160万円まで金額が引き上げられました。これによって、今後は年収160万円までであれば所得税がかからなくなります。
 

新制度では年収ごとに基礎控除額が変わる

今回の改正では基礎控除の金額について特例が設けられました。基礎控除の額は、年収(給与収入)によって図表2のように異なります。
 
図表2

図表2

自由民主党 公明党 基礎控除の特例の創設について より筆者作成
 
年収が高くなるにつれて段階的に基礎控除の額が減り、年収850万円を超えた場合は「58万円」となります。
 

「106万円の壁」「130万円の壁」は残っているので注意

今回の制度改正で引き上げられた年収の壁は、あくまでも所得税の壁だけです。次の2つの社会保険料の壁はまだ残っているので、注意してください。


・106万円の壁
・130万円の壁

「106万円」は、従業員51人以上の企業で週20時間以上働く場合、健康保険や厚生年金保険に加入しなくてはならなくなる金額です。2026年10月に金額の要件は撤廃される見込みですが、2025年時点ではまだ残っています。
 
「130万円」は、それ以外の企業で働いている場合に、国民健康保険や国民年金の支払いが発生する金額です。
 
これら2つの年収の壁を超えると社会保険料を支払わなくてはならず、手取り額が大幅に減ります。このことも意識したうえで働き方を調節するとよいでしょう。
 

年収150万円では所得税はかからないが社会保険料がかかる

2025年度の税制関連法案が成立したことによって、所得税の年収の壁が103万円から「160万円」まで引き上げられました。これによって、今後は年収150万円で働いても所得税はかかりません。
 
ただし、年収150万円では、社会保険料の支払いが発生する「106万円の壁」および「130万円の壁」は超えてしまいます。今後働き方を調節する際は、新しい160万円の壁だけではなくこれら社会保険料の壁も意識してみてください。
 

出典

財務省 令和7年度税制改正の大綱の概要
自由民主党 公明党 基礎控除の特例の創設について
厚生労働省『年収の壁について知ろう』あなたにベストな働き方とは?
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

  • line
  • hatebu
【PR】 SP_LAND_02
FF_お金にまつわる悩み・疑問