「海外通販」で「10万円以上」散財したという友人→この場合でも「関税」はかかる？ 「税率」はどれくらい？

日本では販売していない海外限定商品を入手するため、海外通販サイトを利用した経験のある人もいるでしょう。海外からの輸入品には基本的に関税がかかります。ただし、条件によっては税率が変わる場合があるので、確認が大切です。
 
今回は、海外通販を利用したときの関税や、分類ごとの税率、個人で輸入するときのポイントなどについてご紹介します。

海外通販を利用しても関税はかかる？

海外通販の利用でお金がかかるかどうかは、条件や購入したものの金額によって異なります。個人的に貨物を輸入した場合や、郵便小包を利用した場合、課税価格が20万円以下なら簡易税率が適用されるでしょう。
 
通常の関税の税率は、詳細に分けられた数千の項目から該当するものを見つけ、税額が計算されますが、簡易税率では7つの大分類に分けられているため、税額の計算が比較的簡単になります。
 
税関によると、簡易税率が適用される項目は表1の通りです。
 
表1

分類		税率
酒類	ワイン	70円／リットル
	焼酎などの蒸留酒	20円／リットル
	清酒やりんご酒など	30円／リットル
トマトソース、なめした毛皮（ドロップスキン）、氷菓、毛皮製品など		20％
コーヒー、茶（紅茶以外）、なめした毛皮（ドロップスキン以外）など		15％
衣類および衣類付属品（メリヤス編みまたはクロセ編みのものを除く）など		10％
ガラス製品、プラスチック製品、卑金属（銅、アルミニウムなど）製品、家具など		3％
ゴム、紙、陶磁製品、鉄鋼製品、すず製品		無税
そのほかのもの		5％

※税関「少額輸入貨物の簡易税率」を基に筆者作成
 
なお、課税価格が1万円以下の場合、消費税や関税は免除されます。ただし、酒税やたばこ税、たばこ特別消費税は課税対象です。すべての税金が免除されるわけではない点に注意しましょう。
 
また、以下のものは一般税率しか適用されません。

●米を始めとする穀物や調整品
●ミルクやクリームなどとその調整品
●食肉調製品
●たばこ
●精製塩
●ハンドバッグなどの革製品
●ニットの洋服
●履物
●身辺用模造細貨類

サイトを利用して注文するときは、簡易税率の対象になるかよく確認しておきましょう。
 

個人で手続きするときのポイント

個人で輸入をする場合は、ある程度海外のショップの内容を理解できる英語力が必要です。分からないまま購入すると、違うものを頼んでしまったり想定よりも高額で購入したりするリスクがあります。
 
なお、英語が苦手な方の場合は、翻訳しながら手続きを進めましょう。分からないところは放置せず、周囲の人に聞いたりオンライン翻訳にかけたりして、内容を理解してから購入することをおすすめします。
 
こうした作業に苦手意識を持つ場合は、輸入代行業者への依頼も選択肢の1つです。自分で手続きを進めるより手数料はかかりますが、英語でのやり取りも代行してもらえるため、気軽に海外通販を利用できるメリットがあります。
 
海外通販で購入後、届くまでには数週間から1、2ヶ月かかるケースもあることに留意しておきましょう。すぐに使いたいものを海外通販で購入しても、使いたい日付を過ぎてから届く可能性があります。
 

少額の輸入であれば簡易税率が適用される

個人的な輸入であっても、関税は課されます。ただし、数多くの項目がある一般税率とは異なり、課税価格が20万円以下なら簡易税率の適用が可能です。簡易税率は大きく7項目に分けられているので、関税の計算に慣れていない人でも計算しやすいメリットがあります。
 
なお、課税価格が1万円以下であれば、一部項目を除いて消費税や関税はかかりません。たばこ税や酒税などは残ります。
 
個人で海外通販サイトから直接輸入する場合は、英語の分かる人に手伝ってもらったり、翻訳を使ったりして内容をよく理解してから購入しましょう。分からないからと気にせず購入すると、あとで想定したのと異なる商品が届く、そもそも届かないなどのトラブルにつながる可能性もあります。必要に応じて、代行業者の利用も検討しましょう。
 

出典

税関 少額輸入貨物の簡易税率
 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー