毎日「ビール」で晩酌しているけど、酒税が「約40%」と聞いてビックリ! 発泡酒ならもう少し低いの? お酒ごとの“酒税等負担率”を確認
ただし、お酒はすべての品目に対して同じ酒税が課税されるわけではなく、それぞれで設定されています。本記事では、お酒の品目ごとの税負担率などを解説します。
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お酒の品目ごとの税負担率はどれくらい?
お酒は品目によって酒税が異なっていますが、これは生産・消費・製造方法・性状などの状況を総合的に判断して決められています。
消費税額と酒税額を合算したものが酒税等負担率で、小売価格に対して酒税等負担率をかければ具体的な税額が計算できます。例えば、1000円のお酒に対して40%の酒税率等負担率がかかっていれば、1000円×40%=400円が税額となります。
お酒の主な品目区分は、「ビール」「発泡酒(麦芽比率25%未満のもの」「発泡酒」「清酒」「果実酒」「連続式蒸留焼酎」「単式蒸留焼酎」「ウイスキー」などです。
品目ごとの酒税等負担率一覧
お酒の主な品目ごとの酒税等税負担率は、図表1のとおりです。
図表1
| 品目 | 酒税等負担率 |
|---|---|
| ビール 633ミリリットル | 40.7% |
| 発泡酒(麦芽比率25%未満のもの)350ミリリットル | 33.8% |
| 発泡酒 350ミリリットル | 34.6% |
| 清酒 1800ミリリットル | 17.3% |
| 果実酒 720ミリリットル | 19.0% |
| 連続式蒸留焼酎 1800ミリリットル | 37.5% |
| 単式蒸留焼酎 1800ミリリットル | 30.8% |
| ウイスキー 700ミリリットル | 23.4% |
財務省 お酒にはどれくらいの税金がかかっているのですか? を基に作成
酒税等負担率を見ると、ビールが最も負担率が高く、633ミリリットルでは40%を超えるほどです(350ミリリットルは37.4%)。反対に最も低いのは清酒で17.3%です。
この酒税率等負担率には、消費税が含まれている点に注意が必要です。お酒などの嗜好品に限らず、生活必需品でもある程度は税負担があることは把握しておきましょう。
お酒の課税額と課税数量は毎年減っている?
お酒の課税額と課税数量は近年減少しており、数十年前と比較すると1兆円近く減収となっています。令和元年度から令和4年度までの数字と、平成で課税額と課税数量が多かった時期は図表2のとおりです。
図表2
| 年度 | 課税額 | 課税数量 |
|---|---|---|
| 令和元年度 | 1兆2500億円 | 865万キロリットル |
| 令和2年度 | 1兆1300億円 | 814万キロリットル |
| 令和3年度 | 1兆1300億円 | 799万キロリットル |
| 令和4年度 | 1兆1900億円 | 816万キロリットル |
| 平成5年度 | 1兆9500億円 | 979万キロリットル |
| 平成6年度 | 2兆1200億円 | 1007万キロリットル |
| 平成7年度 | 2兆600億円 | 1001万キロリットル |
財務省 酒税に関する資料 を基に作成
令和時代と平成時代を比較するとかなりの金額差があり、日本全体でお酒を飲む人が少なくなっていると思われます。
令和4年度の課税額と課税数量の内訳
令和4年度の酒類の品目ごとの課税額と課税数量の内訳を見ると、ビールとリキュールの2つだけで全体の50%以上を占めています。課税額ではビールが37.1%・リキュールが20.1%、課税数量で見るとビールが27.1%・リキュールが28.5%です。
お酒の飲み方から考えると、ビールやリキュールなどは割材を使わずに飲む機会が多いことも影響しているかもしれません。単式蒸留焼酎や連続式蒸留焼酎、ウイスキーなど割材を使う機会が多い酒類は、課税額と課税数量どちらも割合は10%以下になります。
これまでのデータを見ると、酒類の課税額と課税数量は今後も緩やかに下降する可能性があります。また、酒税については課税率が変わるケースも考えられます。
まとめ
日常的に晩酌をしていると、酒税をかなり支払っていることになり、人によっては年間で数十万円支払っているかもしれません。
お酒の種類によって酒税等負担率は異なり、そのなかでもビールは最も高くなっています。お酒を購入するときに酒税等負担率を意識すると、節約につながるかもしれません。
出典
財務省 お酒にはどれくらいの税金がかかっているのですか?
財務省 酒税に関する資料
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
