住民税の「納付書」が届きました。会社が天引きしているはずなのですが、払わなければならないのでしょうか?
本記事では、納付書が届く理由や住民税の納付方法、さらに住民税の負担を軽減する方法について詳しく解説します。
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目次
会社で天引きされているはずの住民税の納付書が届く理由
ここでは、本業以外での所得がある場合や、転職・退職による影響、勤務先が特別徴収に対応していない場合など、納付書が送付される背景について詳しく解説します。
本業以外の所得で確定申告している
給与所得以外に副業や不動産収入などの所得があり、確定申告を行っている場合、確定申告書の「住民税に関する事項」で、給与からの天引きを希望しない(または選択し忘れる)と、主たる給与以外の所得にかかる住民税が「普通徴収」として別途請求されます。
転職により会社が変わっている
転職によって勤務先が変わった場合、前職での給与分の住民税が、新しい勤務先の給与天引きに含まれていない場合、その分の住民税は普通徴収として請求されることになります。転職後、再就職までに間が開く場合は、退職時期によって徴収方法が異なります。
勤務先が特別徴収義務者ではない
勤務先が「特別徴収義務者」に指定されていない場合、従業員は自分で住民税を納付する必要があります。事前に、会社の経理担当者に確認し、特別徴収の対象かどうかを確かめるとよいでしょう。
給与引きされていない分は支払う必要がある
会社の給与天引き(特別徴収)で住民税を支払っているはずなのに納付書が届いたとき、実際に天引きされていない住民税がある場合は、自分で支払う必要があります。
まず、勤務先が住民税の特別徴収を実施しているかどうかを確認しましょう。給与明細の「住民税」の欄に金額が記載されていれば、特別徴収されています。しかし、記載がない場合は、給与から差し引かれていない可能性があり、普通徴収として自治体から直接納付書が送付されます。
不明な点があれば、会社の経理担当者に確認してみるとよいでしょう。
住民税の未納を放置するリスク
住民税は毎年定められた期限内に納付しなければならない重要な税金ですが、万が一支払いを忘れたり、未納のまま放置したりすると、大きなリスクを伴います。
ここでは、住民税の未納を放置することによって起こりうるリスクについて解説します。
延滞税が加算される
延滞税とは、税金を期限までに納めなかった場合に、滞納額に対して課されるペナルティーです。滞納した日数に応じて延滞税が加算され、支払うべき金額はどんどん膨らんでいきます。
期限内に納付を済ませることが、税金を最も低い負担で支払う方法であることを忘れてはいけません。
財産が差し押さえられる
まず、納税者には督促状が送られますが、それでも支払いが行われない場合、自治体は滞納者の財産を差し押さえる場合があります。
自治体による差し押さえは、基本的に裁判の手続きを必要としません。督促状を放置し続けると、予告なしに突然、銀行口座や給与などの財産が差し押さえられる可能性があります。
住民税の負担を減らす方法
ここでは、住民税の負担を減らすためにできることを紹介します。
医療費控除を利用する
年間の医療費が10万円(総所得金額等が200万円未満の場合は総所得金額等の5%)を超えると、医療費控除の対象となり、住民税の負担を軽減できます。病院での診察料や治療費だけでなく、通院にかかった交通費や入院時の食事代、治療目的としたはり・きゅうの費用なども対象です。
また、生計を共にする家族の分を合算して申請することも可能です。医療費控除を受けるためには確定申告が必要となるため、領収書を保管しておくようにしましょう。
生命保険料控除を利用する
生命保険に加入している場合、支払った保険料に応じて生命保険料控除を受けられます。控除には「一般生命保険」「介護医療保険」「個人年金保険」の3種類があり、それぞれ上限額が設定されています。
住民税においては、これらの控除を合算すると最大7万円の控除を受けることが可能です。
給与引きされていない場合は支払う必要があるので、適切な対応を
住民税には、給料から引かれる特別徴収と、自分で支払う普通徴収の2つの支払い方法があります。
もし、会社で特別徴収されているはずなのに納付書が届いた場合は、本業以外の所得や転職・退職などが影響している可能性があります。まずは勤務先の経理担当者や自治体に確認することが大切です。納付書が届いた場合は、記載された期限内に支払いを行いましょう。
また、医療費控除や生命保険料控除などを活用することで、住民税の負担を軽減することが可能です。住民税の仕組みを理解し、適切な方法で対応しましょう。
出典
港区 給与から天引きされているはずなのに、自宅に納税通知書が送られてきました。なぜですか。
国税庁 No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
国税庁 No.1122 医療費控除の対象となる医療費
国税庁 No.1140 生命保険料控除
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
