医療費控除には「交通費」も含まれると聞きました。毎回「2000円」ほどかかっていた「タクシー料金」も控除対象になりますか?

配信日: 2025.06.26 更新日: 2025.07.02
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医療費控除には「交通費」も含まれると聞きました。毎回「2000円」ほどかかっていた「タクシー料金」も控除対象になりますか?
通院や治療で公共交通機関が使用できずタクシーに乗り、そのタクシー料金を医療費控除に含めたいと考える方もいるかもしれません。
 
しかし、医療費控除には細かい条件が設けられており、必ずしも該当するとは限らないでしょう。そこで今回は、タクシー料金が医療費控除に含まれるのか、条件を満たせば医療費控除に該当する項目についてご紹介します。
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タクシーの利用は医療費控除として申告できるのか

基本的に、タクシーで通院などを行っても、医療費控除として申告できません。医療費控除に認定される基準として「一般的に支出される水準を著しくこえない」とあり、タクシーは水準を超えると判断されるためです。しかし、特別な事情がある場合は、医療費控除に該当します。
 
例えば、電車やバスなどの公共交通機関が利用できず、やむを得ずタクシーに乗った場合や、陣痛などの症状が出て、緊急で利用した場合などは医療費控除としての申告が可能です。
 
また、患者を一人で病院まで連れていくことが困難である場合は、同行した方の交通費も医療費控除として申告できます。しかし、入院時の面会などで利用したタクシー代に関しては、医療費控除の扱いにはなりません。
 
バスや電車などの公共交通機関を利用できる方は、タクシーの利用を控えたほうが医療費の控除にも影響しにくいでしょう。
 

タクシー料金以外で医療費控除に該当するもの

医療費控除は、通常の治療代や診療代以外にも該当するものが複数あります。知っておくと今後の医療費控除で活用しやすくなるでしょう。
 
・おむつ代
傷病により約6ヶ月以上寝たきりで医師の治療を受けており、おむつを使う必要がある場合は医療費控除に該当します。
 
医師が発行したおむつ使用証明書が必要です。なお、介護保険法の要介護認定を受けている方は、市町村などが発行しているおむつ使用の確認書がおむつ使用証明書の代わりになる場合もあります。
 
・保健師や看護師、准看護師もしくは特定の方に依頼した際に支払う療養中の援助代
療養のあいだお世話になった方への支払いも医療費控除として扱われます。必ずしも医療機関に属している方が対象になるのではなく、家政婦への援助代も医療費控除として申告して問題ありません。ただし、家族や親族に依頼した際の援助代は、医療費控除には該当しません。
 
・患者の世話にかかった家族の交通費
病院での治療が必要な方が、一人で通院することが危険な場合は、医療費控除の対象範囲内です。例えば、幼い子どもやサポートが必要な高齢者が患者に該当する場合は、同行した家族の交通費も医療費控除として申告できます。
 
また、骨折した際のタクシー代が医療費控除に該当することから、患者が骨折している場合も、家族の交通費が医療費控除で認められるかもしれません。ただし、子どもや高齢者の入院見舞いで支払った家族の交通費は、医療費控除の対象外となるため注意しましょう。
 
・歯列矯正
子どもの不正咬合の歯列矯正や歯列矯正が必要な場合、医療費控除の基準内となるため申告できます。
 
一方で、容姿を整えるための歯列矯正は、医療費控除には該当しません。また、歯列矯正のために、公共交通機関で通院した場合の交通費も医療費控除として認められています。
 
このように、医療費控除にはさまざまなものが当てはまりますが、それぞれに条件が設けられています。同じ項目でも、治療ではなく容姿のためであったり、公共交通機関ではなく自身の車で通院したりする場合は医療費控除は受けられないため、該当可否の確認が大切です。
 

タクシー料金は、特別な事情があれば医療費控除に該当する可能性がある

タクシー料金は、基本的には医療費控除として申告できません。しかし、公共交通機関が使用できず、タクシーを利用するしか通院の方法がない場合や突発的に病院に行く必要がある際は、タクシー料金も医療費控除として扱われます。
 
また、患者が一人で病院に行くことが困難な場合は、付添人の交通費も医療費控除に該当します。このように、医療費控除は該当するケースとしないケースがあるため、しっかりと確認する必要があるでしょう。
 
ほかにも、医療費控除はさまざまな項目や条件があります。人によっては、医療費控除に該当する治療を受けているが知らなかったものもあるかもしれないので、確定申告前に確認しておくとよいでしょう。
 

出典

国税庁 No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
国税庁 No.1122 医療費控除の対象となる医療費
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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