最近ガソリン税の暫定税率についてのニュースをよく見かけます。そもそも“暫定税率”とは何ですか? 廃止になることで何が変わるんでしょうか?

配信日: 2025.07.02
この記事は約 3 分で読めます。
最近ガソリン税の暫定税率についてのニュースをよく見かけます。そもそも“暫定税率”とは何ですか? 廃止になることで何が変わるんでしょうか?
「ガソリンを入れるたびに、これだけ税金を払っていたなんて……」普段何気なく給油しているガソリン。実は、その価格の約4割が税金だということをご存じでしょうか?
 
中でも注目されているのが「暫定税率」という存在です。一時的と言われながらも50年以上続くこの税金は、仮に今後廃止された場合、私たちの生活はどう変わるのでしょうか?
 
本記事では、ガソリンの「暫定税率」について詳しく解説していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

ガソリン税の「暫定税率」とは? 数字で見るその仕組み

ガソリン税の「暫定税率」とは、1970年代に発生したオイルショックをきっかけに、道路整備などの財源不足を補うために「一時的」措置として導入された税率です。
 
しかし、その後も2度の引き上げを経て、1979年には現在の水準に落ち着きました。具体的には、ガソリン1リットルあたりの本来の税率28.7円に、暫定税率分25.1円が上乗せされ、合計53.8円が課税されています。
 
この暫定税率は「一時的」とされながらも、50年以上にわたり維持されてきました。2009年には特定財源から一般財源化されましたが、税率そのものは変わっていません。
 

ガソリン価格の約40%が税金! その内訳と二重課税の実態

ガソリン税の仕組みを詳しく見ると、税金の割合の大きさに驚かされます。例えば、千葉県石油協同組合の解説によれば、ガソリン1リットルあたりの本体価格82.29円におけるガソリン税額は、前述の通り53.8円です。
 
そこに石油石炭税などの石油諸税が加わり、さらに消費税が加算されることで、最終的には約70円、購入価格の4割以上が税金となっています。
 
さらに問題なのが「二重課税」です。本体価格に石油諸税が課された後、その金額に対して消費税がかかるため、消費者は実質的に税金に税金を払っている構造となっています。
 

暫定税率廃止の動きと、実現した場合の変化

最近のニュースでは、野党側がガソリン税の暫定税率廃止法案を共同で提出する動きが報じられていましたが、結局採決は見送られたようです。
 
仮に今後同様の法案が提出、可決され、暫定税率が廃止されれば、ガソリン1リットルあたり25.1円分の税金が減ることになり、例えば50リットル給油すれば1255円の負担減となります。特に地方などで自動車が生活必需品となっている世帯や、物流コストの削減が期待される業界にとっては大きなメリットでしょう。
 
ただし、税収減による公共インフラ維持や財政赤字への懸念も根強く、代替財源の確保が大きな課題となっています。
 

まとめ

ガソリン税の暫定税率は、導入当初の「一時的措置」とは裏腹に、長期間にわたり私たちの生活に大きな影響を与えてきました。税率の高さや二重課税の問題、そして財政とのバランスなど、課題は多いものの、今後の議論次第で私たちの家計や社会全体にポジティブな変化が訪れる可能性もあります。
 
単なる問題提起で終わるのではなく、例えば省エネ車や公共交通の利用促進、税収の透明化や効率的な使い道の検討など、私たち一人ひとりができる工夫や社会的な議論を深めることが、より良い未来への第一歩となるでしょう。
 

出典

千葉県石油協同組合 千葉県石油商業組合 ガソリンと税金のおはなし
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

  • line
  • hatebu
【PR】 SP_LAND_02
FF_お金にまつわる悩み・疑問