中学生の子どもにメガネを作ったら「医療費補助」が出ると言われました。本当に対象になるのでしょうか?
本記事では、どのようなケースで医療費控除や医療費補助が受けられるのか、また、申請方法がどのようなものかを解説します。
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目次
中学生のメガネ代が「医療費控除」の対象になる?
一般的に、メガネの購入費用は医療費控除の対象外です。しかし、子どもの視力矯正用メガネの場合、単なる視力補正が目的のメガネではなく、治療目的とみなされるケースがあります。
例えば、斜視や弱視など目の疾患により、その治療のために医師の指示に基づいて作成されたメガネの費用であれば、医療費控除の対象となります。この「医師の指示」とは、疾病名および治療を要する症状が記載されたメガネの処方箋である「治療用メガネ等作成指示書」です。
また、メガネの購入費用を含めた医療費の合計額が「10万円」を超えることも条件に含まれます。
医療費控除では、年間の医療費の合計から「保険金などで補てんされる金額」および「10万円(または所得に応じた控除額)」を差し引いた残額が控除対象です。例えば、メガネの購入費用が5万円、その他の医療費が7万円だった場合、合計で12万円となり、10万円を超えた2万円分が医療費控除の対象になります。
医療費控除の対象となる具体例
子どものメガネが医療費控除の対象となるのは、「矯正用メガネ」や「訓練用メガネ」などに限定されます。例えば、斜視の治療として、目の位置を正しくするために医師が処方した矯正用メガネや、視力の発達促進を目的とした、弱視の訓練用メガネなどが該当します。
そのため、販売店でメガネを作成する際には、眼科医から「治療用メガネ等作成指示書」などの書類を確実に受け取りましょう。
医療費控除の申請方法と必要な書類
子どものメガネ代を医療費控除の対象として所得税等の還付を受けるためには、確定申告をする必要があります。申請の際には、「医師の診断書または指示書」「メガネの領収書」「医療費控除の明細書」が必要です。
医師の診断書または指示書とは、先述したように「治療用メガネ等作成指示書」など、眼科医が治療目的でメガネの作成を指示したことを証明する書類です。また、メガネの領収書は、メガネの作成目的など内容を記載してもらいます。
「医療費控除の明細書」とは、確定申告書に添付するために申請人となる親が自分で作成する書類です。また、申請人が会社員の場合には、「源泉徴収票」も必要です。
これらの書類をそろえ、確定申告期間中に税務署に提出するか、e-Tax(電子申告)で手続きをします。そのため、確定申告時までこれらの書類を保管しておきましょう。
医療費控除以外の補助制度もある?
一般的なメガネ購入に対する医療費補助制度は多くありませんが、加入している健康保険組合や自治体によっては、独自の補助制度を設けているケースがあります。
例えば、神奈川県大和市の場合、教育委員会が「視力精密検査依頼書」「めがね注文書」を発行しています。眼科を受診してメガネを購入した場合、中学校1~3年の間に1回のみ、メガネ一式で上限1万円の補助を受け取ることが可能です。
また、横浜市では「就学援助」の認定を受けている子どもの場合、眼鏡が必要となった子どもを対象に、上限5000円の「めがね券」を発行しています。
このように各自治体で補助制度を実施しているケースがあるため、メガネを作る前にお住まいの自治体のホームページなどを確認しましょう。
「医療費補助」が出るか、まずは医師に相談しよう
中学生の子どものメガネ代が医療費控除の対象となるのは、特定の目の疾患に対する「治療目的」でメガネが作成された場合に限られます。したがって、一般的な視力低下に対応するメガネは、基本的には医療費控除対象外です。
医療費控除の対象となるメガネを作成した場合には、確定申告で申請することで、メガネの購入費用の一部が還付される可能性があります。また、自治体によっては独自の医療費補助制度を設けている場合もあるため、メガネを作成する前に、お住まいの自治体の制度も確認しましょう。
出典
国税庁 医師による治療のため直接必要な眼鏡の購入費用
国税庁 No.1122 医療費控除の対象となる医療費
大和市 めがねの購入費の補助が受けられる場合があります
横浜市 横浜市準要保護児童生徒めがね購入援助事業
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
