【2025年最新】新築なのに「住宅ローン控除」が使えない!? 制度改正で変わった“減税が受けられる家”の条件を宅建士が解説します
そんな家計の負担を大きく軽減してくれる制度の一部が2024年に改正され、2025年以降は新しい基準が本格的に適用されることになりました。そのため、新築住宅でも要件を満たさない場合は控除の対象外となるケースもあるのです。
本記事では、新築住宅でも住宅ローン控除の対象外となる物件の種類や、2025年以降に控除を受けるための条件について、宅地建物取引士の筆者がわかりやすく解説します。
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2025年「その他の住宅」は住宅ローン控除の対象外
これまで新築住宅や買取再販物件に対する住宅ローン控除は、「長期優良住宅・低炭素住宅」「ZEH水準省エネ住宅」「省エネ基準適合住宅」、そして基準を満たさない「その他の住宅」の4区分で対応してきました。
図表1にもあるように、「その他の住宅」は省エネ性能を備えていなくても借入限度額(※)3000万円までは控除の対象とされてきましたが、2024年1月以降はこの区分が控除対象外となります。
※借入限度額とは、住宅ローン控除額を計算する際の「年末時点のローン残高」に適用される上限値。実際の借入金額が限度額を超えていても、控除対象となるのは限度額までとなる。
図表1
国土交通省「住宅ローン減税改正(令和4年度)3つのポイント」より筆者作成
以上の通り、住宅の性能によって借入限度額や控除の対象に差があり、高い省エネ基準を満たす住宅ほど優遇される仕組みになっています。2024年1月以降に建築確認を受けた新築住宅は、以下で説明する「省エネ基準を満たす家」に該当しなければ住宅ローン控除が受けられません。したがって2025年からは「新築なら減税が使える」とは限らなくなります。
「省エネ基準を満たす」家とは
では、住宅ローン控除が受けられる「省エネ基準を満たす家」とはどのような住宅でしょう。対象となる住宅の種類と概要は以下の通りです。
・長期優良住宅
長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた優良な住宅です。長期優良住宅の建築及び維持保全の計画を作成し、所管行政庁に申請することで認定を受けることができます。
・低炭素住宅
建築物における生活や活動に伴って発生する二酸化炭素を抑制するための低炭素化に資する措置が講じられている、市街化区域等内に建築される住宅を指します。
・ZEH水準省エネ住宅
日本住宅性能表示基準の「断熱等性能等級5(※)」かつ「一次エネルギー消費量等級6(※)」に適合する住宅を指します。
・省エネ基準適合住宅
日本住宅性能表示基準の「断熱等性能等級4」かつ「一次エネルギー消費量等級4」に適合する住宅を指します。
※断熱等性能等級および一次エネルギー消費量等級は、数字が大きいほど省エネ性能が高い。
2025年以降、減税が受けられる家の条件とは?
2025年以降に新築住宅の住宅ローン控除を利用するには、省エネ性能のある住宅であることに加えて、以下の要件を満たす必要があります。
・住宅取得後6ヶ月以内に入居し、引き続き居住していること
・住宅の床面積が50平方メートル以上であること
・床面積の2分の1以上が、専ら自己の居住用であること
・住宅ローンを借りた人の合計所得金額が2000万円以下であること
・住宅ローンの返済期間が10年以上で、分割返済するものであること
・民間の金融機関や独立行政法人住宅金融支援機構などの住宅ローン等を利用していること
・省エネ基準に適合していることの証明書などがあること
まとめ
2025年以降に新築住宅を検討している人は、「省エネ性能の有無」が住宅ローン控除の適用に大きく関わる点に注意が必要です。とくに「長期優良住宅」や「低炭素住宅」に該当すれば、借入限度額は最大5000万円まで拡大されます。他の省エネ住宅でも子育て世帯の上乗せがあり、控除の恩恵を受けやすくなります。
ただし、高性能な省エネ住宅は建築コストが上がることに注意しましょう。減税効果や光熱費削減といった将来のメリットと初期費用の負担増を天秤にかけ、予算に合わせて総合的に判断することが重要です。
省エネ住宅の基準は今後も段階的に見直され、さらに高い性能基準が設けられる可能性があります。2026年以降は最新情報をこまめに確認し、制度の仕組みと条件を理解したうえで、後悔のない住まい選びをしましょう。
出典
国税庁 マイホームを持ったとき
国土交通省 2024年1月以降に建築確認を受けた新築住宅で住宅ローン減税を受けるには省エネ性能が必須となります
国土交通省 住宅ローン減税
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

