「年収2000万円」の知人は、所得税だけでいくら払っているのでしょうか?

配信日: 2025.07.10
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「年収2000万円」の知人は、所得税だけでいくら払っているのでしょうか?
高所得者がどれくらいの税金を支払っているのか、気になったことがある人も多いのではないでしょうか。
 
所得税は所得が高い人ほど税率が上がる「超過累進課税」のため、年収2000万円の場合は高い税率が適用されます。
 
本記事では、所得税の仕組みと計算方法、年収2000万円の所得税シミュレーションについて解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
FINANCIAL FIELD編集部

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高橋庸夫

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

所得税の仕組みと計算方法

所得税は超過累進課税制度が採用されており、年収が上がるほど税率も段階的に高くなる仕組みです。例えば、所得が300万円の人と2000万円の人とでは、適用される税率に大きな差があります。
 
あらかじめ所得税の仕組みや計算方法を理解しておくことで、自分や周囲の年収に応じた税額のシミュレーションがしやすくなります。
 

所得税は超過累進課税制度

所得税は、課税所得金額に応じて税率が段階的に上がっていく「超過累進課税制度」を採用しています。
 
所得税の速算表は、図表1のとおりです。
 
【図表1】

課税所得額 税率 控除額
1000円〜194万9000円 5% 0円
195万円〜329万9000円 10% 9万7500円
330万円〜694万9000円 20% 42万7500円
695万円〜899万9000円 23% 63万6000円
900万円〜1799万9000円 33% 153万6000円
1800万円〜3999万9000円 40% 279万6000円
4000万円以上 45% 479万6000円

※国税庁「所得税の税率」をもとに筆者が作成(1000円未満の端数金額を切り捨てた後の金額)
 
図表1のとおり、税率は5%から45%までの範囲で設定されており、段階に応じて控除額も異なります。
 

所得税の計算の流れ

給与所得者の場合の、所得税の計算の流れは、次のとおりです。
 
1.給与所得を算出する
給与所得は「給与収入-給与所得控除」で算出します。
 
令和7年度の税制改正により、所得税の基礎控除額が改正されました。この改正は、原則令和7年12月1日に施行、令和7年分以後の所得税に適用されます。基礎控除額は図表2のとおりです。
 
【図表2】

合計所得控除 基礎控除額(令和7年11月まで) 基礎控除額(令和7年12月以後) 基礎控除額(令和9年以後)
132万円以下 48万円 95万円 95万円
132万円~336万円以下 48万円 88万円 58万円
336万円〜489万円以下 48万円 68万円 58万円
489万円〜655万円以下 48万円 63万円 58万円
655万円〜2350万円以上 48万円 58万円 58万円

※国税庁「給与所得控除」をもとに筆者が作成
 
2.課税所得を算出する
課税所得は「所得-所得控除」で算出します。
 
所得控除には、基礎控除、配偶者控除、扶養控除、社会保険料控除、寄付金控除など、ほかにも多くの種類があります。
 
3.所得税額を計算する
所得税額は「課税所得×所得税率-控除額」で計算します。
 

年収2000万円の所得税シミュレーション

ここでは、以下の条件で年収2000万円の所得税シミュレーションを行います。

●年収2000万円
●給与所得控除195万円
●基礎控除58万円
●扶養控除38万円
●社会保険料控除168万円
※社会保険料控除は仮定
※基礎控除は改正後の金額を適用

ここでは、わかりやすくするために「基礎控除」「扶養控除」「社会保険料控除」のみを対象としています。

1.給与所得:2000万円-195万円=1805万円
2.課税所得:1805万円-58万円-38万円-168万円=1541万円
3.所得税額:1541万円×33%-153万6000円=354万9300円

上記の条件の場合、年収2000万円の所得税額は354万9300円となります。
 

所得税をおさえるための節税ポイント

所得税をおさえるための節税ポイントは、次のとおりです。

●各種控除を利用する
●iDeCoを活用する

医療費控除、寄付金控除、生命保険料控除などの各種控除を活用することで、課税所得が減り、所得税の負担を軽減できます。
 
ただし、医療費控除や住宅ローン控除など、一部の控除を受けるには確定申告が必要な場合があるため注意が必要です。
 
また、私的年金制度の一つであるiDeCoを利用すれば、掛金が全額所得控除の対象となるため、所得税や住民税の節税効果が期待できます。
 

年収2000万円と高所得者ほど所得税が高い! 自分の所得税も確認してみよう!

年収が上がるほど所得税率も高くなるため、年収2000万円のような高所得者は、納める税額も大きくなります。
 
ただし、医療費控除や住宅ローン控除、寄付金控除、iDeCoなどの制度を活用すれば、控除額が大きくなり所得税の負担を軽減することも可能です。
 
この機会に、自分の所得税や目標とする年収の所得税額を計算してみましょう。
 

出典

国税庁 所得税の税率
国税庁 給与所得控除
国税庁 社会保険料控除
国税庁 扶養控除
iDeCo公式サイト
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
 
監修 : 高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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