2028年から箱根で「宿泊税」が導入される!? すでに“入湯税”があるけれど、なんのために徴収されるの?「東京・大阪」などの宿泊税も確認

配信日: 2025.07.12 更新日: 2025.07.14
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2028年から箱根で「宿泊税」が導入される!? すでに“入湯税”があるけれど、なんのために徴収されるの?「東京・大阪」などの宿泊税も確認
所得税や住民税、固定資産税、相続税など、私たちの身近には多くの税金があります。そんな中、箱根町が2028年4月をめどに「宿泊税」を導入するというニュースが流れました。普段あまり見慣れない税金だけに、「どれくらいとられるの?」「目的はなに?」と注目を集めています。
 
本記事では、箱根町が導入を検討している「宿泊税」について、その概要や目的、すでに導入している自治体の状況などについて解説します。
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宿泊税とは?

宿泊税とは、その名のとおり、ホテルや旅館などに宿泊する際にかかる税金です。宿泊料金に上乗せして徴収され、地方自治体の歳入として活用されます。税率や課税方法は地域によって異なりますが、一人1泊あたり数百円程度の課税が一般的です。
 
なお、似たような税金として「入湯税」がありますが、こちらは温泉施設を利用することに対して課される目的税(使い道が限定されている税)であり、宿泊税とは別物です。
 

箱根町が導入を検討する宿泊税の概要

2025年7月現在、神奈川県の箱根町では宿泊税の導入に向けた議論が進められています。全国有数の観光地である箱根では、コロナ禍からの回復とともに観光客数が戻りつつあり、特に外国人観光客が増加しています。
 
一方、観光客の増加に伴い、ごみ処理や下水道などのインフラ整備が課題になっているとしており、観光地としての持続可能な運営が求められている状況です。
 
箱根町ではすでに「入湯税」(一人1泊あたり150円)を導入していますが、それとは別に、宿泊税を新たに導入することで、町の財源を確保し、観光インフラの整備や観光案内所の充実といった施策を進めていくと考えられます。
 
ただし、現時点で宿泊税の具体的な金額や課税方法は明らかにされていません。今後、箱根町は町が設置した検討会議で、具体的な施策や税率を決めていくようです。
 

宿泊税を導入しているほかの自治体は?

宿泊税を知らなかったという人も多いかもしれませんが、実はすでに導入している自治体もあります。代表的な導入自治体と負担する金額については次の通りです(いずれも1人あたりの金額)。

●東京都:宿泊料金が1泊1万円以上1万5000円未満は100円、1万5000円以上は200円
●大阪府:宿泊料金が1泊7000円以上1万5000円未満は100円、1万5000円以上2万円未満は200円、2万円以上は300円(2025年9月からは、5000円以上1万5000円未満が200円となり、最大500円課税の予定)
●京都市:宿泊料金が1泊2万円未満は200円、2万円以上5万円未満は500円、5万円以上は1000円
●金沢市:宿泊料金が1泊5000円以上2万円未満は200円、2万円以上は500円

これらの自治体では、宿泊税を観光地の混雑対策や文化財保護、観光案内所の設置・運営費などの用途で活用しています。
 

宿泊税は旅行者にとって損? メリットはある?

一見すると「旅行の出費が増えるだけ」と思われがちな宿泊税ですが、実は旅行者にとっても間接的なメリットがあります。
 
宿泊税によって確保された財源は、多くの場合、観光地の美観や治安の維持、公共交通の整備、観光案内サービスの充実など、旅行者の利便性や満足度を高める施策などに使われます。
 
また、1泊あたり数百円の税額であれば、宿泊費全体に対する負担はそれほど大きくありません。
 
大きくない負担で、旅行の満足度が維持されたり、さらに高まったりするのであれば、宿泊税は決して「払い損」ではないと言えるのではないでしょうか。
 

まとめ

箱根町が導入を検討している「宿泊税」は、現時点では詳細な金額などが明らかになっていないものの、町の観光資源を守り、よりよい旅行体験を提供するための施策の1つです。すでに導入している自治体もあり、大きなトラブルも起きていないことから、旅行者にとって過度な心配は不要でしょう。
 
旅行中に支払う数百円の宿泊税が、次の旅行の満足度や観光地の魅力維持につながると考えれば、この税金は負担というよりも未来への投資と言えるのかもしれません。
 

出典

令和6年箱根町観光客実態調査報告書
箱根町 入湯税
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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