「年収180万円」でも毎年ふるさと納税をしているけど、本当に税金が減ってるの? 減っていることを確認するにはどこを見れば分かる?
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年収180万円でもふるさと納税の控除は受けられる?
ふるさと納税は、自己負担2000円を除いた分が「所得税」と「住民税」から差し引かれる制度です。しかし、年収が低い場合、税金そのものが少ないため、控除の上限額も大きくはなりません。
総務省の「ふるさと納税に関する現況調査結果」によると、令和6年度課税における控除額の実績は約7682億円、控除適用者数は約1000万人、前年比は約1.1倍と、ふるさと納税を行う人は年々増加しています。
年収180万円の方の場合、控除の上限額はおよそ1万2000円程度とされています(独身・扶養なしの場合)。つまり、1万2000円を超える寄附をすると、超えた金額は戻ってこず自己負担となる可能性があります。
たとえば、年収180万円で1万5000円を寄付した場合、本来であれば1万3000円が控除されるはずですが、控除上限が1万2000円だとすると、差額の3000円は戻ってきません。このため、年収が低い方は「寄附上限額の確認」が非常に重要です。
控除が本当に反映されているか確認する方法とは
ふるさと納税の控除が正しく反映されているか確認するには、「住民税決定通知書」を見るのが最も簡単です。この通知書は、毎年6月頃に市区町村から郵送されます(会社員の場合は勤務先経由で配布されることもあります)。
通知書の中で見るべきポイントは「摘要欄」や「税額控除額」欄です。ここに、以下のような記載があるか確認してください。
・「寄附金税額控除 市民税〇〇円 県民税〇〇円」
この金額の合計が、ふるさと納税の寄付額から2000円を引いた金額とほぼ一致していれば、控除は正常に反映されています。
・ワンストップ特例制度を使った人
5自治体以内の寄附で、確定申告をしなくても控除される制度です。この場合も、控除は「全額住民税からの控除」として摘要欄などに記載されます。
・確定申告をした人
医療費控除や副業収入などで確定申告をした人は、所得税と住民税の両方から控除されます。住民税決定通知書に加えて、確定申告書の「寄附金控除欄」と「還付金通知」もチェックすると、全体の控除額が把握できます。
控除されていない場合の原因と対処法
控除が反映されていない場合、次のような原因が考えられます。
・ワンストップ特例制度の申請忘れや書類不備
寄付先ごとに申請書を提出していなかったり、提出期限(翌年1月10日)を過ぎたりした場合は、控除されません。
・確定申告の記載ミス
「寄附金控除」の欄に正しく記入されていないと、控除が適用されないことがあります。
・控除限度額を超えて寄附してしまった
控除できる金額を超えて寄附すると、超過分は戻ってこず、税額には反映されません。
控除が反映されていないと気づいた場合でも、まだ間に合う可能性があります。
・確定申告の修正申告(5年以内)を行う
・ワンストップ特例制度が未適用の場合、確定申告で改めて申告する
書類の準備や手続きが必要になるため、不安があれば市区町村の税務課や税務署に相談してみましょう。
無理のない範囲で制度を賢く活用しよう
年収180万円でも、ふるさと納税によって税金が軽減される可能性は十分にあります。ただし、控除額には上限があり、それを超えると自己負担となる点には注意が必要です。
控除が正しく適用されているかどうかは、住民税決定通知書や確定申告書で簡単に確認できます。不安な点があれば、税務署や市区町村に相談し、損のないふるさと納税を続けていきましょう。
制度をきちんと理解すれば、年収に関係なく自分の意思で応援したい地域に貢献できる、素晴らしい仕組みです。無理のない金額で、ぜひ今後もふるさと納税を活用していきましょう。
出典
総務省 ふるさと納税に関する現況調査結果(令和6年度実施)
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
