来年度スタート予定の「独身税」って結局なに?「年収400万円・独身」の私はいくら納めることになる? 徴収額・方法を確認

配信日: 2025.07.23
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来年度スタート予定の「独身税」って結局なに?「年収400万円・独身」の私はいくら納めることになる? 徴収額・方法を確認
昨年から「独身税」という言葉がネットをにぎわすようになりました。独身税と聞くと、扶養家族を持たない単身者が支払う税金だと捉えてしまいそうですが、実態は違い、2026年度からスタートする「子ども子育て支援金」のことを指します。
 
なぜ「独身税」と呼ばれるのか、また「何のために」「いくらくらい」納付するのか、気になる人も多いでしょう。
 
本記事では、子ども子育て支援金の概要や予想される徴収額、似たような名称の「子ども子育て拠出金」との違いなどについて解説します。
橋本典子

特定社会保険労務士・FP1級技能士

子ども子育て支援金とは

2026年度にスタートする「子ども子育て支援金」は国の抜本的な少子化対策の財源確保を目的とする制度で、独身者に限らず、既婚者や高齢者等にも納付義務が発生します。
 
集められた支援金は、児童手当の拡充や妊産婦の支援など、子育て世代をサポートする原資の一部となります。
 
子どものいる家庭であれば、児童手当の増加など支援金の恩恵を受けられますが、独身者をはじめとする子どものいない人にとっては、徴収はされるものの直接のリターンがないことから、「独身税」と呼ばれるようになったもようです。
 

子ども子育て拠出金との違い

ところで、「子ども子育て支援金」とよく似た名称のものに「子ども子育て拠出金」があります。子ども子育て拠出金は従来からある制度で、児童手当や子育て支援などの財源になってきました。
 
子ども子育て拠出金の対象者は「厚生年金の被保険者」ですが、被保険者負担分はなく、全額を企業が負担し、毎月の社会保険料と一緒に納付しています。
 
子ども子育て拠出金の額(2026年度)は、標準報酬月額の0.36%ですから、月給30万円の厚生年金被保険者を1人雇っている企業は、その1人につき毎月1080円を負担しているのです。
 
2026年度に子ども子育て支援金が開始されても、子ども子育て拠出金が廃止されるわけではありません。厚生年金被保険者を雇用する企業では、子ども子育て支援金の会社負担分の支払いとあわせて、さらなる負担増が懸念されています。
 

子ども子育て支援金の徴収額はいくら?

子ども子育て支援金の徴収額について、こども家庭庁は、図表1の試算表を公表しています。
 
図表1

図表1

 
こども家庭庁
 
図表1の額はあくまでも医療保険加入者1人あたりの試算額で、実際の徴収額は、今後具体的に決定されます。
 
被用者保険(会社員や公務員の加入する健康保険)では、各被保険者の収入に応じた額が徴収される予定です。子ども家庭庁では「試算することは難しい」とした上で、参考として次の額を挙げています。

年収200万円…月350円
 
年収400万円…月650円
 
年収600万円…月1000円
 
年収800万円…月1350円
 
年収1000万円…月1650円

上記はあくまでも試算ですが、賞与込みの年収が400万円の会社員であれば、1ヶ月につき650円、1年で7800円ほどを負担することになりそうです。
 

子ども子育て支援金の徴収方法

子ども子育て支援金は、医療保険の保険料に上乗せされる形で徴収されます。会社勤めの人は健康保険料などとともに天引きされ、国民健康保険に加入する自営業者などは、保険料と一緒に支払うことになります。
 

まとめ

子ども子育て支援金は、深刻な少子化に歯止めをかけ「社会全体で子育て世代を支える」ために2026年度にスタートする制度です。
 
とは言え、昨今の物価や水道光熱費の上昇を考えると、どうしても「そんな未来のことより現在の生活をどうにかして」と思ってしまうかもしれません。
 
負担は増えることになりますが、この制度により、少子化が少しでも緩和され、将来的にその恩恵が社会全体に還元されると良いですね。
 

出典

こども家庭庁 子ども・子育て支援金制度について
 
執筆者 : 橋本典子
特定社会保険労務士・FP1級技能士

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