65歳の母は今年から「年金」を受け取りながら「パート勤務」をするそうです。いくら稼ぐと「確定申告」が必要になるのでしょうか?

配信日: 2025.08.09
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65歳の母は今年から「年金」を受け取りながら「パート勤務」をするそうです。いくら稼ぐと「確定申告」が必要になるのでしょうか?
年金だけでは収入に不安があり、定年後にパート勤務で働き始める人もいるでしょう。もし年金を受け取りながらほかのところでも収入を得る場合、金額によっては確定申告が必要になる可能性があります。また確定申告により税金の負担を軽減できるケースもあるので、チェックしておきましょう。
 
今回は、年金を受け取りながらパート勤務をしている人が確定申告が必要になる条件や、確定申告が不要な人でも税額負担を軽減できるケースなどについてご紹介します。
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確定申告が必要になる条件とは

年金を受け取っている人がパート勤務をしている場合、次の条件のいずれかに当てはまっていると、確定申告が必要です。
 

・年金による収入が400万円を超えている
・パート勤務による所得が20万円を超えている

 
もし年金収入が400万円を超えていなくても、所得が20万円を超えていれば確定申告を行いましょう。所得額は所得の種類によって計算方法が異なります。
 
給料を受け取っている人の場合、「給与等の収入金額-給与所得控除等」で所得額の計算が可能です。給与所得控除額は給料によって計算式が変わります。
 
国税庁によると、令和7年度時点で給与所得控除額の給与額別計算方法は表1の通りです。
 
表1

給料の金額 給与所得控除額
~190万円 65万円
190万1円~360万円 収入金額×30%+8万円
360万1円~660万円 収入金額×20%+44万円
660万1円~850万円 収入金額×10%+110万円
850万1円~ 195万円

筆者作成
 
例えば、賞与なしで月収10万円程度で1年間働き、年収120万円だったとしましょう。この場合、給与所得控除額は65万円のため、所得金額は「120万円-65万円」で55万円です。所得が20万円よりも多いため確定申告が必要になります。
 
なお、確定申告が必要になる収入額の目安としては、給与所得控除額の最低額である65万円に20万円を足した年収85万円です。
 
ただし、社会保険に加入している、扶養している人がいるなどで控除がある場合、その金額によっては所得税や住民税の課税所得が0円になり、納税の必要がないケースもあります。
 
年金収入のみの人でも収入が400万円を超えていれば確定申告が必要です。複数の公的年金を受け取っている場合は、合計金額が400万円を超えているときに確定申告の対象となります。
 

確定申告が不要な人でも確定申告をした方が税額負担を軽減できる場合がある

確定申告が本来は必要ない人でも、状況によっては確定申告をした方が税金の負担を軽減できるケースがあります。
 
例えば、多額の医療費を1年間で支払ったときは医療費控除の対象になるでしょう。医療費控除では、以下の計算式で求めた金額を、税金の計算に使う所得から控除できます。
 

・実際に支払った医療費の合計額-高額療養費制度や保険などから補填された金額-10万円(その年の所得が200万円未満の人は所得の5%)

 
確定申告の対象外であっても、もちろん医療費控除は利用できます。医療費控除のほかにも、災害や盗難にあったときに適用される雑損控除や、自宅を住宅ローンで買ったときに利用できる税額控除などもあるので、チェックしておきましょう。
 

年金以外の所得が20万円を超えていると確定申告が必要になる

年金を受け取りながらパート勤務をしている場合、パート勤務で得た給与所得が年間20万円を超えていると確定申告をしなければなりません。給料を得ているときの所得金額は、給与などの収入から給与所得控除額を引けば計算ができます。
 
なお、確定申告が不要な人でも医療費控除や雑損控除など、控除を適用することで支払う税金の金額を軽減できる場合があります。税負担を少しでも軽くしたい人は、適用できる控除がないかチェックしてみるとよいでしょう。
 

出典

国税庁 令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について
政府広報オンライン ご存じですか?年金受給者の確定申告不要制度
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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